2010/12/13

長引く咳と結核

風邪が治ったはずなのに、咳がいつまでもとまらないという場合に、気をつけなければならないのが結核です。結核は、過去の病気と思われがちですが、決してそうではありません。2009年には、何と2万4千人もの結核患者が新たに発生しているからです。その中の約半数が70歳以上でしたが、この場合、結核がまん延していた昭和20年代から30年代に一度感染していたことが疑われています。
結核菌は、長い年月に渡って体内で休眠するという特徴があるからです。免疫力が強い場合は、結核菌の増殖が抑えられるため発病しませんが、加齢により体力が低下したり、ステロイドや免疫抑制剤などの薬物を使用したり、ほかの病気の影響で抵抗力が落ちたりした場合、発病する危険性があるのです。

発病すると、微熱や全身倦怠感、食欲不振、体重減少とともに、咳やたんが2~3週間続きます。治療をせずに放置しておくと、肺出血や喀血などの重篤な症状が現れ、最悪の場合は死に至ります。結核は、昔は「労咳」あるいは「不治の病」と呼ばれ、一度発病すると助からない病気の代表でした。現代は、予防接種の普及や治療法の確立でさほど恐れる病気ではなくなりましたが、治療が遅れると危険な病気に変わりはありません。
いつまでも咳やたんがとまらないというシニアの方は、結核も疑ってみましょう。

2010/12/01

動脈硬化の予防にみかんが効果的

12月になり、徐々に寒さも増して来ましたが、店頭には黄色いみかんがあふれるばかりに並んでいます。みかんには、ビタミンCが豊富に含まれていて、風邪予防や疲労回復、美肌効果、がん予防効果などがありますが、生活習慣病を引き起こす動脈硬化の予防にも効果があるのです。
動脈硬化を防ぐ働きがあるのは、みかんの皮についている白いすじの部分に含まれている「ヘスペリジン」という物質です。ヘスペリジンは、かつてはビタミンPと呼ばれていましたが、毛細血管を強くして、余分なコレステロールを吸収し、体外に排出する働きがあります。また、中性脂肪を減らす働きもあるので、動脈硬化を予防し、心臓病や脳卒中のリスクを減らすことができます。
ヘスペリジンは、皮の白いすじの部分に果肉の約300倍も含まれています。コレステロール値が高めのシニアの方、動脈硬化を予防したいシニアの方は、みかんを毎日2~4個ずつ食べるようにしてみましょう。すじの部分は、ちょっと食べずらいかも知れませんが、栄養の宝庫でもあるので、捨てずに食べるようにしてください。
また、みかんの黄色い皮の部分には「bクリプトキサンチン」という物質が含まれていて、美容やがん予防にも高い効果があることが認められています。みかんの皮も漬物に入れたり、ジャムにしたりと、なるべく捨てずに利用するようにしましょう。

2010/11/24

自分に合うサプリメントを選ぼう

自分の健康は、自分で守って行く時代になりました。病気になってから治療するより、病気にならないように予防することがより重要です。そこで大きな味方となってくれるのがサプリメントです。現在、サプリメントはドラッグストアはもちろん、インターネット通販でも、コンビニでも、スーパーマーケットでも手軽に買えます。
しかし、安易に手に入るからと言って、自分に合わないサプリメントを選んでしまうとまったく効果がないばかりか、時には副作用で体調を崩してしまうこともあります。自分にぴったりのサプリメントを選ぶにはある程度の情報収集が必要となります。高価なサプリメントだから効くというわけでもなく、自分の体質や症状、生活環境などにマッチした場合に効くというのがサプリメントです。

サプリメントは薬ではないので、即効性はありません。日本ではサプリメントは食品に分類されていますが、摂取してからある程度の期間をかけて徐々に免疫力をつけたり、自然治癒力を高めたり、体質を改善して行きます。穏やかな変化なので、本当に自分に効いているのかどうかがわかりにくいのですが、「朝の目覚めがすっきりする」とか「何となく体調がいい」と感ずることができれば、効いているといっていいでしょう。
血圧を下げるサプリメントや、コレステロールを下げるサプリメント、血糖値を下げるサプリメントなどは、定期的に測定してみることにより、具体的な効果を知ることができます。
ある程度の期間、摂取しても何も変化が感じられなかったり、「気分が重い」「皮膚にかゆみが出てきた」などという場合は合わない可能性がありますので、中止するようにしましょう。
また、サプリメントを購入する場合は必ず、成分表示と摂取時の注意書きを確認してください。どんな症状を改善したいのか、またどんな病気を予防したいのか、目的をはっきりさせることにより、自分に合うサプリメントを選びやすくなります。

参考サイト 症状別サプリメントなび

2010/11/03

「世界糖尿病デー」と「全国糖尿病予防週間」

糖尿病の患者数が世界的な規模で年々増加しています。現在、世界の成人人口の約5~6%が糖尿病をかかえており、このまま行けば、2025年には3億8, 000万人にも達すると言われています。
この糖尿病の脅威に対して、国連は11月14日を「世界糖尿病デー」として指定し、全世界をあげて糖尿病の撲滅キャンペーンを実施しています。この日は糖尿病治療に必要な「インスリン」を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞したフレデリック・バンティング博士の誕生日に因んでいるそうです。

40歳以上の3人に1 人が糖尿病または糖尿病予備群である日本では、11月8日から11月14日を「全国糖尿病予防週間」に指定し、「世界糖尿病デー」と合わせて、糖尿病予防と重症化防止に向けた啓発運動を全国的に開始しています。

糖尿病は、初期には殆ど自覚症状がないため、見逃されやすい病気です。糖尿病が進行すると「のどが渇きやすくなる。疲れやすくなる。尿の量が多くなる。体重が減る。食欲が旺盛になる。だるい。手足の感覚がない。」などの症状があらわれます。
そしてこのような症状を抱えたまま放置しておくと、網膜症(視力低下、最悪の場合失明)、腎症(腎不全による透析導入)、神経障害(しびれ、感覚麻痺)などの重大な合併症が現れます。これを防ぐためには、定期的な健康診断を受け、早期発見、早期治療を開始することが何よりも大切です。

世界糖尿病デーの11月14日には、糖尿病啓発運動への団結を意味するブルーサークルに因んで、日本の東京タワーをはじめ、エンパイアステートビルやエッフェル塔、アテネのパルテノン神殿、カナダのバンティング・ミュージアムなど世界の200ヵ所以上でブルーのライトアップが行われます。

これを機に糖尿病への関心を高め、早期発見、早期治療につとめましょう。

2010/10/31

首への負担が頭痛を引き起こす

最近、頻繁に頭痛がするというシニアの方は、首のこりを疑ってみてください。「頭痛の原因の7~8割は首が原因」と言われるほど、首と頭痛は関連があります。
頭痛や肩こりは、自覚症状として現れますが、首はあまり自覚症状として現れません。しかし、首の細い筋肉が「3~5kg」もある頭を支えているのです。
そして、前かがみになったり、猫背になるとその重さが2~3倍もの負担となって首にかかってきます。「首がこる」という表現の仕方もありますが、肩こりと同じように知らないうちに首もこっています。

首には、頭を支えるという役目の他に、脳へと続く神経や動脈などの重要な器官が入っています。首がこると血液の循環も悪化しますから、頭痛のほかにめまい耳鳴り、集中力の低下、気力の低下などの症状が現れて来ます。さらに悪化すると手のしびれや脱力といった症状も現れます。

このような首のこりを防ぐには、首への負担がかからないように普段から姿勢に気をつけることが大切です。同じ姿勢を長時間続ける場合は、時々軽い体操などをして、首や肩の周りの筋肉のこりをほぐすようにしましょう。
慢性的に首の違和感や痛みがある場合は、枕の影響も考えられます。自分の頭の高さにあったものを選ぶようにしましょう。また、あまり柔らかすぎる枕も頭が沈んでしまい、首に負担がかかりますので、注意してください。

2010/10/15

玄米を食べる時の注意

おいしい新米が出回っています。つやつやとした真っ白な白米は何と言ってもおいしいものですが、健康のためには「玄米」のほうが良いという話を時々聞きます。
確かに玄米には、胚芽の部分に、ビタミン・ミネラル・食物繊維などたくさんの栄養成分が含まれています。お米の胚芽の部分は次の新しい生命の芽を出すための中心なので、栄養成分の宝庫と言えますが、同時に残留農薬も凝縮されている可能性が高いのです。

無農薬・有機栽培の玄米なら残留農薬の心配はありませんが、もうひとつ問題なのは胚芽や表皮に含まれている「フィチン酸」という物質です。フィチン酸には強力な排泄作用があるため、体内の毒素を出してくれます。それと同時にミネラルと結合してフィチン酸塩になるため、ミネラルも排出してしまうのです。
この毒素排出作用のため、玄米を食べて病気が治るということもありますが、食べ続けるとミネラル不足に陥ります。玄米を長年食べている人は虫歯になりやすいというデータもありますが、これは身体にとって重要なミネラルであるカルシウムが奪われてしまうことが原因と言われます。
玄米は栄養豊富で身体に良いというのは本当ですが、盲目的に玄米ばかりを食べるのは危険です。玄米を食べる場合は、必ず無農薬のもの選び、また長期間食べ続けないことが健康を守るためには大切です。

2010/10/12

オルニチンは肝臓の働きを活性化

最近、さまざまな食品に使われ、よく耳にするようになった「オルニチン」は、体内では遊離アミノ酸として存在しています。シジミに多く含まれていることで良く知られていますが、肝機能の改善効果が期待され、疲労回復や二日酔い対策にも役立つことが証明されています。
オルニチンは、タンパク質を分解する時に生じる有害なアンモニアを肝臓で代謝・解毒し尿素に変える働きがあり、この仕組みを「オルニチンサイクル」と言っています。そのため、オルニチンを摂取することは、このオルニチンサイクルが円滑に回るのを助けることになり、肝機能改善につながるのです。

また、オルニチンには、アンチエイジングに必要な成長ホルモンの分泌を促進する働きがあるといわれており、筋肉や骨を強化したり、免疫力を高めて基礎代謝をあげる働きもあります。他にも腎臓障害の改善やカリウム欠乏症による尿の濃縮力低下の症状改善、疲労感の軽減など、さまざまな健康効果がクローズアップされています。

このオルニチンのサプリメントは以前からありましたが、最近はビールや即席味噌汁、ゼリーやヨーグルト、おかゆなどの食品にもオルニチンが入っているものが発売されています。
お酒をたくさん飲む方は、シジミをたくさん食べると良いと昔から言われていましたが、そうでないシニアの方もオルニチンを積極的に摂るようにしましょう。

2010/10/05

受動喫煙が健康に及ぼす影響

タバコの値上げが実施され、これを機会に禁煙に踏み切る人も増えて来ましたが、「今まで通り吸い続ける」という方や、値上げ前に買いだめをした方もいるようです。
そんな中で、先日は「受動喫煙」が原因で死亡する人は、国内で少なくとも年間約6800人に上るとの推計を、厚生労働省の研究班が発表しました。このデータは、受動喫煙との因果関係がはっきりしている肺がんと虚血性心疾患の死者だけを対象にしているため、実際にはもっと多い可能性があるそうです。

「受動喫煙」とは、自分がタバコを吸わなくても、他人が吸ったタバコの煙を吸わされることを言い、「間接喫煙」とか「不随意喫煙」、「不本意喫煙」と言われることもあります。
タバコの煙の中には、約40種類の発がん物質を含む、数千種類の化学物質が含まれていますが、喫煙者が吸い込む主流煙よりも、火のついた先端から出る副流煙のほうにより多くの有害物質が含まれています。
この有害物質には血管を収縮させて血流を悪くするニコチンや、全身への酸素の運搬を妨げる一酸化炭素、発がん物質のベンツピレンやニトロソアミン、ダイオキシンまで含まれています。

そのため、受動喫煙が健康に及ぼす影響は計り知れないものがあります。短時間の受動喫煙でも、目のかゆみや痛み、のどの痛み、くしゃみ、息苦しさ、鼻汁、動悸、めまい、頭痛、寒気などの症状が現れます。また、頻脈、皮膚温低下、血圧上昇が起き、血が固まりやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。
さらに受動喫煙が慢性化すると、肺がんを初めとする各種のがんや心臓疾患、呼吸器系疾患のリスクが非常に高くなるのです。
赤ちゃんや子供に受動喫煙が与える影響も重大で、有害物質が気管支や肺に吸い込まれ、喘息や気管支炎などの呼吸器の病気にかかりやすくなります。
受動喫煙の恐ろしさを知り、家族のためにもこの機会に禁煙することをおすすめします。

2010/10/02

便秘予防がガン予防につながる理由

便秘を予防することは、ガンを予防することにつながります。
その理由は、便秘になると腸内の悪玉菌が急激に増えるからです。腸内には通常約100種類の細菌が棲み着いていますが、その数は何と100兆個にも及びます。便秘になると腸管内に長い間、便が留まっていることになりますが、その便をもとにウェルシュ菌やクロストリジウム菌などのいわゆる悪玉菌(腐敗菌)が、腸内の蛋白質やアミノ酸を腐敗させて発ガン物質を産生するのです。

腸管から吸収された発ガン物質やその他の有害物質は、肝臓に運ばれて解毒化されますが、便秘が続くとこの解毒化が間に合わなくなります。その結果、発ガン物質が体内をめぐり、ガンの発生に至ることになります。

ガン発生のリスクを減らすには、便秘を予防し宿便を作らないことが大切です。そのためにも、普段から食物繊維を多く含む食品を摂るようにしましょう。食物繊維は、消化されませんが、便の量を増やして便通を良くするほか、腸内の有害物質や発ガン物質を吸着して便と一緒に体内へ排出する働きがあります。
また、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌や乳酸菌は、腸管内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やして腸内の免疫機能を高め、ガンの発生を抑える働きがあることが認められています。

2010/09/28

超善玉ホルモン・アディポネクチンとは?

「アディポネクチン」という超善玉ホルモンが話題になっています。「アディポネクチン」は1996年に大阪大学の松澤教授のグループによって発見されたものですが、何と脂肪細胞から血液の中に分泌され、メタボリックシンドロームとかかわりのあるさまざまな生活習慣病を予防する働きがあることがわかりました。

「アディポネクチン」は、血管が傷ついているところがあるとすばやく入り込んで、その部分を修復します。その結果、血管を拡げて血流を良くしますので、血圧が下がり安定して来ます。また、動脈硬化を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞を予防したり、改善したりする働きがあります。他にも血糖値を下げて糖尿病を予防したり、コレステロール値を正常に維持したり、がんの発症を防ぐ働きまであるそうです。
このように色々な病気を予防したり、改善してくれるので「超善玉ホルモン」と呼ばれています。また、このホルモンが身体の中にたくさんあれば、老化防止にもなり、長生きできるというわけで「アディポネクチン」は「長寿ホルモン」とも言われています。

ところで、この「アディポネクチン」は脂肪細胞がたくさんあればたくさん分泌されるのでは?と思われますが、実際はそうではありません。太って内臓脂肪細胞が大きくなってしまうと、分泌量が減少してしまうのです。逆に痩せすぎて内臓脂肪細胞が小さくなっても、減少してしまいます。
このすばらしいホルモンである「アディポネクチン」の分泌量を増やすには、標準体重を維持することと、毎日軽い運動を続けることが大切です。
また、最近は「アディポネクチン」のサプリメントなども販売されています。

2010/09/24

激しいスポーツは活性酸素を増やす

秋は体を鍛えるのに、絶好の季節です。しかし、激しいスポーツは体内の活性酸素を増やす危険があることを心に留めておいてください。
活性酸素は、すでに広く知られているように、生活習慣病やガン発生の引き金になったり、老化を早める原因になります。活性酸素は、体内にウィルスや細菌が侵入したときにこれを攻撃して死滅させるという重要な役目も担っていますが、過剰に発生すると臓器や血管を傷つけ、体に害をもたらすからです。
この活性酸素は、喫煙や車の排ガスなどの有害物質、食品添加物、ストレスなどが原因で過剰に発生しますが、激しい運動をするときも多量に発生します。一般に呼吸をして体内に取り込んだ酸素の2%前後は活性酸素になりますが、激しい運動をすると呼吸も激しくなり、通常よりも大量の酸素を体内に取り込むことになります。また体温も上昇し、それが活性酸素の発生に拍車をかけます。
人間の体内には、活性酸素を無害な物質に変える抗酸化物質(スカベンジャー)が何種類か存在していますが、このスカベンジャーは20歳をピークに徐々に減少して行きます。若い人が運動をして活性酸素が発生したとしても、このスカベンジャーのおかげであまりダメージを受けることはありません。しかし、スカベンジャーが減少してしまったシニア世代は、過剰に発生した活性酸素をなかなか無害化することができません。
夏に運動できなかったから・・・と秋になって急に激しいスポーツなどを始めると、自らの命を縮める結果にもなってしまいます。
ただし、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動は逆に体内の活性酸素を減らします。空気が澄んですがすがしい秋には、激しいスポーツを避け、ゆったりとした無理のない有酸素運動を続けてみましょう。

2010/09/18

認知症と睡眠の関係

認知症と睡眠は互いに密接な関係があることが最近の研究でわかって来ました。
睡眠が浅くぐっすり眠れないとか、夜中に何度も目覚めてしまう、いつも寝不足状態というシニアの方は注意してください。睡眠の状態が悪いと認知症になる確率が高くなるからです。

高齢になると誰しも中途覚醒や早朝覚醒が多くなるのが普通ですが、アルツハイマー型認知症になると、生体リズムの中枢である体内時計が壊れ、睡眠と覚醒のリズムがおかしくなって来ます。初期には、昼間はウトウトして夜になると頭が冴えて眠れなくなるという症状が起きます。それがだんだん進行すると、昼と夜の区別ができなくなり、昼間は眠っていて夜になると騒ぎ出すという昼夜逆転現象が起きたり、昼でも夜でも寝たり起きたりを繰り返すようになります。さらに進行すると今日が何月何日かということもわからなくなります。
このような認知症による睡眠障害は本人ばかりではなく、介護者にとっても大きな負担となります。

夜、十分な睡眠がとれないと昼寝をするケースが多くなりますが、習慣的に1時間以上の昼寝をしていた人は、そうでない人に比べて認知症になる確率が2倍になり、毎日30分以内の昼寝をしていた人は、認知症になる確率を5分の1に減らすことができるという統計もあります。
生活習慣を見直して毎日の睡眠時間をきちんととり、昼寝は30分以内にするということに留意すれば、認知症になる確率を減らすことができます。

関連リンク 認知症とはどのような病気か

2010/09/04

抗生物質の効かない多剤耐性菌とは?

世界中で、抗生物質の効かない多剤耐性菌の感染による死亡例が確認され、大きな問題となっています。
私たちは、怪我をしたり何らかの病気にかかると、菌やウィルスから身を守るため、抗生物質のお世話になる場合が多くありますが、菌やウィルスも生き延びるため日々進化をとげています。抗生物質を何度も使っているうちに、抗生物質が効かない遺伝子を獲得したものが現れて来ます。そのような菌やウィルスを耐性菌と呼んでいますが、2つ以上の薬に耐性を持つものを多剤耐性菌と呼んでいます。
「多剤耐性菌」に変異した菌に感染すると、抗生物質は殆ど効かないため、菌は感染者の体の中で猛烈な勢いで増殖します。

日本国内で確認されている多剤耐性菌には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バイコマイシン耐性腸球菌(VRE)、O157、結核などがありますが、最近はアシネトバクター(MRAB)というものが問題になっています。アシネトバクター菌は2008年10月から2009年1月に福岡大病院で患者23人が感染し、4人が死亡しています。2010には船橋市立医療センター、愛知医科大病院でも感染者が出ています。また、帝京大病院では2009年8月~2010年9月1日に患者46人が感染し、この中でもとの病気の悪化を含め27人が死亡していますが、9人の死因になった可能性があるとしています。

多剤耐性アシネトバクター菌は、健康な人が感染しても免疫力で防御できるため、何の問題も起こりませんが、高齢者や入院中で体の抵抗力が落ちている方、治療薬として免疫抑制剤を服用している方は注意が必要です。特に抗生物質を多用する病院内では、院内感染を起こしやすく、感染した患者は、敗血症や肺炎、MRSA腸炎などの重い病気を引き起こし、生命に危険が及ぶこともあるからです。

2010/08/30

狭心症の新しい治療法

狭心症は、心臓に血液を供給する冠動脈が動脈硬化のために狭くなってしまい、心筋に十分な血液が送られなくなるため、発作的に胸痛や胸部圧迫感などの症状を起こします。
狭心症の治療には、薬物療法のほか、足の付け根などから細い管(カテーテル)を通して狭くなった冠動脈を広げる「カテーテル治療」や、太ももなどの血管を移植する「冠動脈バイパス手術」などがありますが、高齢者や糖尿病などの合併症を持っている人など、体への負担が大きく手術ができないケースもあります。

しかし、狭心症の新しい治療法として開発された衝撃波による治療では、全身麻酔による開胸手術が不要で治療の痛みも殆どありません。この衝撃波による狭心症の治療法は、東北大病院の下川宏明教授(循環器内科)が中心となり、スイスの医療機器メーカーと共同で開発されました。
衝撃波は、今までも尿路結石を砕く治療などに使われていましたが、血管の狭くなった部分に当てると、血管増殖因子の働きが高まり、周囲に細かい血管が形成され、心臓の血流が改善されることがわかり、2004年から2回にわたり臨床試験が行われて来ました。臨床試験の結果は、1年後に狭心症の自覚症状が改善し、発作時に使用するニトログリセリンの使用量も殆どの患者で不要になり、心筋の血流改善が確認されたそうです。

実際の衝撃波による狭心症の治療は、1回につき200発の衝撃波を3時間かけて照射し、それを1~2日おきに3回繰り返すというもので、患者は麻酔の必要もなく痛みもまったくないため、寝ていれば済みます。体に負担が殆どかからないため、この衝撃波による治療法は手術が困難な重症患者にも可能なほか、必要があれば何度でも行うことができます。
この3回分の治療費は、26万5500円かかりますが、厚生労働相が指定する「高度医療」に承認されたため、検査費や入院費には保険が適用されます。

2010/08/25

人食いバクテリア「ビブリオ・バルニフィカス」とは?

2010年8月24日、香港の女性(68)が、「人食いバクテリア」に感染し危篤状態に陥っているというニュースがありましたが、この女性は、自宅で魚を扱っている際に人差し指をけがし、そこから人食いバクテリアと言われる「ビブリオ・バルニフィカス」に感染したことがわかりました。

ビブリオ・バルニフィカスとは、食中毒菌である腸炎ビブリオの仲間で、主に夏場に生の魚介類を食べて感染するほか、傷口から感染することもあります。健康な人が感染しても、下痢や腹痛を起こす程度で、重症になることは殆どありませんが、ビブリオ・バルニフィカスは、感染した体内で筋組織などを破壊する毒素を放出するため、肝硬変などの疾患を持っている方は、数時間~数日後に手足の急激な壊死を起こし、発症した場合の死亡率は約7割と言われています。
日本でも2001年8月に静岡県の肝臓疾患のある男性(72)が「ビブリオ・バルニフィカス感染症」に感染し死亡しているほか、毎年何名かの感染者が出ているそうです。また、2003年4月17日に国立感染症研究所と全国6都県の地方衛生研究所が、市販の魚介類の一部を調査した結果、その16%がビブリオ・バルニフィカスに汚染されていたそうです。

ビブリオ・バルニフィカス感染症にかからないために次のような方は特に注意してください。
・肝硬変や肝臓がんなどの重大な肝臓疾患がある方
・重症の糖尿病などで免疫力が低下している方
・貧血治療のために鉄剤の内服、投与を受けている方
・喘息などの治療目的でステロイド薬剤を使用している方
・お酒を大量に飲む方

ビブリオ・バルニフィカス感染症を予防するために、ハイリスクの方は、刺身など魚介類の生食は避け、よく加熱することを心がけてください。また、手に傷があるときは生の魚介類の調理を避け、釣りや海水浴などでも海岸で素足になることは避けてください。

2010/08/17

肺の生活習慣病・COPD(慢性閉塞性肺疾患)

タバコをたくさん吸う方は、肺がんのリスクをかかえていますが、もうひとつ怖い病気があります。それは
慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)というもので、英語ではChronic Obstructive Pulmonary Diseaseと言い、これを略して「COPD」と呼んでいます。
COPDとは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことにより、気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに慢性的な炎症が生じ、咳や喀痰が出たり、息切れが生じたりする病気です。COPDは、長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから「肺の生活習慣病」とも呼ばれています。

COPDは、悪化してからでないと気づきにくいという特徴がありますが、タバコを長年吸っているシニアの方で、階段を上り下りする時や、坂道を上る時に息切れをするという方は要注意です。息切れを感じたときに、意識的に口をすぼめて呼吸する「口すぼめ呼吸」も判断のひとつの目安になります。また、風邪でもないのに咳や痰が長く続いたり、進行すると胸の前後の幅が増大し、上体がビヤ樽のような独特な形になることもあります。
COPDがさらに進行すると呼吸不全や心不全を起こすこともあり、酸素吸入が必要なほど重症化すると5年生存率は50%に満たないと言われます。

現在、日本では500万人以上のCOPD患者さんがいると推定されており、世界中でも増加の一途をたどっています。
COPDは、早期発見が大切ですが、何よりもこのような病気にかからないよう、禁煙することがそれ以上に大切です。

2010/08/13

高齢者のあせもと接触性皮膚炎

暑い日が続き、あせもに悩まされているシニアの方も多いようです。あせもは、汗を出す管(汗の吹き出し口)が、汗が一度に大量に出ることで、塞がれてしまうことが原因で起こります。高齢者の場合は、赤みがかった炎症を起こす「赤いあせも」が多いですが、あせもとばかり思っていたら実は「接触性皮膚炎」だったというケースも多いようです。

見た目には、あせもと同じような症状ですが、「接触性皮膚炎」の場合は、塩分やアンモニアなどの汗の残留物が皮膚を刺激して起こります。汗によるかぶれと言えますが、首筋や背中など汗を多くかく部分に、かなり広範囲に、また短時間に赤いブツブツができます。
このような汗による接触性皮膚炎は、乾燥や摩擦などで、皮膚が弱くなっている部分に起こりやすく、特に高齢者は注意が必要です。

この汗による接触性皮膚炎を防ぐには、高温多湿の環境を避け、なるべく汗をかかないようにすることが第一です。また、汗をかいたら早めにシャワーやお風呂で汗を洗い流すようにしましょう。ただし、石鹸で洗いすぎると皮膚を保護している脂分まで落としてしまい、かえって皮膚を弱めてしまうこともあるので注意してください。
汗による接触性皮膚炎は、皮膚科にて診察を受け、処方されたステロイド系の塗り薬などですぐに治りますが、繰り返さないようにすることが大切です。

2010/08/03

夏の暑さと高血圧

夏の暑さは、熱中症を引き起こす危険がありますが、そればかりではありません。血圧にも関係して来ますので、高血圧症のシニアの方は十分に注意してください。
暑いとたくさん汗をかき、体の水分が失われて行きます。そのまま水分を補給しないでいると、血液がドロドロ状態になり、血圧が上昇し、心筋梗塞を起こしやすくなるのです。
また、冷房のきいた場所から外に出る時なども注意が必要です。寒い冬の時期がそうであるように、夏もまた急激な気温の変化につれて、血圧も上下しやすくなるからです。急激な血圧の上昇によって、脳や心臓の血管が破れたり、血管が詰まったりと、重大な症状を引き起こします。
このようなことを防ぐためには、汗をたくさんかいたらこまめに水分を補給し、血液が濃くなるのを防ぐことです。熱中症予防には、水分の他に塩分も必要ですが、高血圧症の方は塩分の摂りすぎにも注意してください。また、冷房の温度はあまり下げすぎず、室内と外を行き来しても体が対応できるような温度差にしておきましょう。
猛暑の夏は、熱中症の予防とともに、血圧の上昇にも十分に注意しましょう。

  高血圧対策・原因と予防法

2010/07/23

夜中でも起こる熱中症

全国的に猛暑が続いています。熱中症にかかる人も増え、このところ毎日のようにニュースでも取り上げられています。統計によると熱中症は最高気温が30度を超えたあたりから発生し始め、35度を超えると急激に増加するそうです。
熱中症は、戸外での運動や作業中になるものと思われて来ましたが、そうではなく車の中や室内でもなります。それも、夜中の睡眠中になる場合もあるのです。
人間の身体は、暑くなると汗を出して体温調節をしています。しかし、高温多湿の環境や無風状態の環境に長くいると、発汗機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまいます。
このような状態が続いて体温調節ができないと頭痛やめまい、けいれん、意識障害などを引き起こし危険な状態になります。
このような熱中症は、夜中でも起こるわけですが、特に高齢者の場合など熱中症の症状が出ていても本人が気づかない場合が多く、重症化してしまうケースもあります。
夜中の熱中症を防ぐには、まず就寝前にコップ1杯の水を飲むのが有効です。「トイレが近いから・・・」と水分を摂取しないでいると、身体の中の水分は汗となってどんどん失われて行きます。
また、クーラーや扇風機などを利用して、身体に風をおくるようにすると夜中の熱中症を防ぐことができます。

2010/07/18

夏の運動不足に注意

梅雨が明け、本格的な夏がやって来ましたが、日射しの強い日中は戸外のでの運動は避けたほうが無難です。紫外線の影響をもろに受けたり、熱中症の危険もあるからです。

しかし、暑いからと言って動かないでいるとやはり運動不足になってしまいます。運動不足は肥満を引き起こすばかりでなく、全身の血行が悪くなるため心疾患や脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病の原因になります。また、消化器疾患も起こしやすく、暑さで食欲がない時によりいっそう食欲不振を招きやすくなります。逆に言えば、夏でも運動をしっかりすることにより、食欲を増進させて夏ばてを防ぐこともできるのです。
暑さで熟睡できないというシニアの方もいますが、昼間に運動をして適度に疲れることにより、ぐっすりと眠ることもできます。

夏の運動は、朝・夕の涼しい時にウォーキングなどをしたり、室内でできる体操やスクワットなどがおすすめです。室内でできる運動器具なども通販で購入できるので、そのようなものを利用しても良いでしょう。しかし、運動器具を使用する場合は飽きずに続けられるようなものを選ぶのがコツです。

2010/07/08

頭の水虫「トリコフィトン・トンズランス」

高温多湿の今の時期は、水虫の原因となる「白癬菌」の活動が最も活発になります。
カビの一種である「白癬菌」は、20種以上もありますが、足や爪に限らず人間の皮膚のどこにでも感染します。
その中でも頭部に感染する「トリコフィトン・トンズランス」という新型水虫菌がこの10年の間に広がっているそうです。「トリコフィトン・トンズランス」は、南北アメリカや欧州では一般的にみられる白癬菌ですが、日本では2001年に柔道部員などの格闘技選手の間で集団感染が報告されたことから、海外選手との試合で感染し、上陸したと見られています。

この「トリコフィトン・トンズランス」という新型水虫菌は、一般の水虫菌よりも短時間で感染し、髪の毛や体毛を好み、毛の中に入り込むという特徴があります。感染しても症状が出なかったり、顔や首にリング状の赤い発疹が出ても虫刺されのように見えることから、水虫とは気がつかず見過ごしてしまうケースも多いようです。しかし、頭部に感染するとフケやかさぶたができたり、重症化すると頭皮から膿が出て髪の毛が抜けてしまいます。

頭の水虫菌「トリコフィトン・トンズランス」の感染者は、今のところ格闘技選手とその家族など、ごく一部に限られているようですが、柔道の全国大会に出場した中学生や高校生の間で感染が確認された例もあり、注意が必要です。

2010/07/05

無煙たばこの害に注意!

今年5月から都内で試験的に販売されていた無煙たばこの売れ行きが好調だそうです。この無煙たばこは、「ゼロスタイル・ミント」という名ですが、「かぎたばこ」の一種で火を使わず煙も出ないため、周囲に気を使わず吸えるというところが、愛煙家に受けているようです。

煙が出ないなら受動喫煙の害もないのでは・・・と思われますが、無煙たばこにも多くの有害物質や発ガン物質が含まれており、喫煙者の呼気と一緒に吐き出される危険性があります。煙がないため、周囲の人は知らないうちに有害物質や発ガン物質の害にさらされることになり、かえって煙の出るたばこより危険性が高まることも予想されます。

また、喫煙者本人にとってもたばこの害は今までと同様にある他、口腔がんの危険性が高まります。よく注意してみるとわかりますが、「ゼロスタイル・ミント」のパッケージの表には「かぎたばこの使用は、あなたにとって口腔がんの原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性を高めます」と書かれており、裏には「妊娠中のたばこの使用は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」と記されています。

無煙たばこの広がりについて、今のところ厚生労働省は静観の構えを見せていますが、自分の体や家族の健康を守るためにも、安易に無煙たばこに手を出さないほうが賢明と言えるでしょう。

2010/07/04

5本指靴下の健康効果

5本指靴下は、足の指と指の間がくっつかないので、汗でべとついたり蒸れたりしないため、水虫の予防や悪化防止に効果があります。

しかし、その他にも5本指靴下には、すばらしい健康効果があることが知られています。足の指は人間の体では心臓から一番遠いところにあるため、最も血流が滞りやすい部分とされていますが、5本指靴下を履くことにより血流が良くなります。1本1本の指が刺激され、自由に動かせるからです。
その結果、血液サラサラ効果や、冷え性の改善、首や肩など全身の凝りの解消などの効果があります。

また、外反母趾や偏平足を予防したり、膝や腰を鍛え老化を防ぐことができます。
歩いたり走ったりする時に5本の指に力が分散して踏ん張りがきくようになるため、捻挫や転倒防止にもなります。このようなことから5本指靴下は、「高齢者が履くもの」というイメージが強かったのですが、現在は5本指靴下の健康効果が広く知られるようになり、野球選手やサッカー選手、ゴルフの選手など多くのスポーツ選手が愛用しています。

最近はデザインやサイズも色々なものが出回っていますので、シニアの方も是非活用してください。素材は綿が一般的ですが、絹(シルク)の5本指靴下は、吸湿性や通気性、保温性にも優れているのでおすすめです。

2010/07/01

老化防止に「Wii」を役立てよう

「Wii」とは、任天堂の家庭用ゲーム機ですが、外国ではすでに脳卒中患者のリハビリに使用されています。先日もオーストラリアで過疎地での遠隔治療に「Wii」が使われるとのニュースがありました。
「Wii」は、特別なセンサーを体に装着してリモコンのコントローラーを動かすことにより、画面上のアニメーションの人物を動かし、あたかも実際に競技をしていると感じさせるゲームで、ボーリングや卓球、テニス、ボクシングなどさまざまなソフトが開発・販売されています。
日本では子供達に人気のゲームで、お子さんやお孫さんが「Wii」で遊んでいるというシニアの方も多いと思います。
海外ではオーストラリア以外でも、カナダ、トロントの聖ミカエル病院やカリフォルニア州サンフランシスコのセント・メリーズ・メディカル・センターなどで、早くからWiiを使ったリハビリで効果を上げています。
従来はリハビリと言えば「つらく苦しいもの」というイメージがありましたが、「Wii」を使ったリハビリはやっていて楽しく、患者が自分から「やりたい」といった意欲をかきたてるため、リハビリ効果も上がりやすいようです。

この「Wii」を使ったスポーツゲームは実は老化防止にも効果があります。積極的に体を動かすとともに、脳も刺激されるので、認知症予防にもなります。特にお子さんやお孫さんとコミュニケーションをとりながらゲームをすることができれば、より効果的です。
いつまでも若々しさを保つために、このようなゲームにも興味を持ってみましょう。

2010/06/29

症状の自己判断と思い込みに注意

自分の体に何かしらの症状が現れた時、ネット検索に慣れているシニアの方は、その症状について調べる方が多いと思います。ネットでは色々な症状について、色々な情報を得ることができます。時には生々しい画像付きで・・・。
しかし、その情報のおかげで、必要以上に不安になってしまったり、「自分はこの病気ではないか」と思い込んでしまったりします。
特に夜中に検索すると、最悪の状態まで考えてしまい、よけいに体調が悪くなってしまうということが往々にしてあるようです。
このような症状を検索エンジンのグーグルに因んで、「グーグル症」と言うそうですが、いったん思い込んでしまうと、病院で診察を受けても医師の言葉が信じられなかったり、指示通りの薬を飲まずに症状が悪化してしまうケースもあるようです。
体調が悪いと誰でも不安になって色々と調べたくなりますが、自己判断と思い込みに陥いらないように注意したいですね。最悪の状態というものはめったになく、現実はあっけないほど症状が軽く、すぐに治ってしまったというケースのほうが圧倒的に多いことを頭に入れておいてください。
グーグルやヤフーなどのすばらしい検索エンジンは、人生を暗くするより、人生が豊かになるような使い方をしたいですね。

2010/06/26

ブルーベリーよりすごい、ボイセンベリー

最近、話題になっているものに、ボイセンベリーというものがあります。
ボイセンベリーは、ブルーベリーと同じ木いちごの仲間ですが、含まれている成分がブルーベリーを超えるため、「ミラクルベリー」などと呼ばれています。
目の疲れ解消や視力回復の助けになると言われているのが、ブルーベリーに含まれているポリフェノールの一種、アントシアニンですね。
ボイセンベリーには、そのアントシアニンがブルーベリーの1.4倍も含まれているそうです。アントシアニンという成分は、今ではあちこちで聞かれるようになりましたが、抗酸化作用があるため老化防止にも役立ちます。
また、ボイセンベリーには、ブルーベリーの900倍もの「エラグ酸」というものが含まれているのですが、このエラグ酸は美白効果があるため化粧品などにも多く使われている成分です。
他にもボイセンベリーには、貧血を予防する葉酸やビタミン・ミネラル類が豊富で、一説にはがんの発生を抑制する効果もあるそうです。
ボイセンベリーは、目の健康を守りながら、全身の健康も守り、同時にアンチエイジング効果も期待できますね。
現在、このボイセンベリーは日本では栽培が始まったばかりですが、世界一の生産国と言われるニュージーランド産のものから作られたサプリメントがネットで販売されています。
「最近、目の疲れがとれない」「老眼が進んだような気がする」「ブルーベリーを飲んでいるけど、効果があるのかどうかわからない」というシニアの方は、ボイセンベリーのサプリメントをためしてみるのも良いかもしれませんね。

2010/06/18

目の疲れとVDT症候群

パソコン作業を長時間行っているシニアの方は、VDT症候群に注意しましょう。
VDT症候群(ブイ・ディー・ティーしょうこうぐん)とは、VDT(Visual Display Terminal)の略ですが、パソコン、テレビ、ゲーム機などの表示機器を長時間使用した結果引き起こされる心身の不調を指します。テクノストレス眼症とも言われますが、画面を集中して見続けるため、眼にかなりの負担がかかるのが原因です。
最初の頃は、目の疲れやかすみ、目の乾燥などの症状が起こりますが、次第に首や肩のこり、頭痛、背中の痛み、手のしびれなどの神経症状が現れて来ます。さらに重症化するとイライラ感や不安感、抑うつ状態、睡眠障害なども出て来ます。

VDT症候群は新しい現代病のひとつとされ、パソコンを多用するオフィスなどでは、このような症状を訴える人が増えているそうです。
VDT症候群を予防するには、パソコンによる作業をする場合は、適度に休憩を入れて目を疲れさせないようにすることです。作業中、意識的にまばたきを増やすのもよいでしょう。
また、目を乾燥させないように時折目薬をさしたり、目の周りをマッサージしたり、パソコン専用のめがねをかけるなどの工夫をして、目の負担を軽くするようにしましょう。

2010/06/14

α(アルファ)リポ酸の副作用に注意

「α(アルファ)リポ酸」は、体内で代謝を助ける働きを持つ補酵素の一つで、もともとは医薬品として扱われて来ました。そのすぐれた効能が認められ2004年の基準改正でサプリメントとして売られるようになりました。
αリポ酸のサプリメントは、血糖値を下げたり、血液をサラサラにしたり、肌を美しくする美肌効果があります。また代謝を上げるので、ダイエット効果につながり、抗酸化と抗炎症作用は、老化防止(アンチエイジング)に役立ちます。

シニアの方の生活習慣病予防にも役立つため、αリポ酸のサプリメントをおすすめしたいのですが、最近になって副作用があることがわかって来ました。それが「自発性低血糖症」と言われるものです。
「自発性低血糖症」とは、血糖値を下げる薬を使っているわけではないのに低血糖になるものを言っています。「自発性低血糖症」は重症になると、昏睡状態に陥ることがあります。

厚生労働省研究班(主任研究者・内潟安子東京女子医大糖尿病センター教授)がまとめた「自発性低血糖症」の全国調査では、2007年から3年間で少なくとも17件の「自発性低血糖症」が起きていたことがわかりました。

この「自発性低血糖症」は、αリポ酸のサプリメントを摂っている人全員がなるわけではなく、SH基と呼ばれる構造を持つ薬やサプリメントを服用すると、発症しやすいと言われています。
αリポ酸のサプリメントを使用する場合、「動悸・冷汗・ふるえ」などの症状が現れたらすぐに受診するようにしましょう。

2010/06/12

梅はその日の難逃れ(うめはそのひのなんのがれ)とは?

「梅はその日の難逃れ(うめはそのひのなんのがれ)」とは日本のことわざで、朝梅干しを食べるとその日は災難を逃れられるという意味です。
これは、梅の効能のすばらしさが、昔から良く知られていたということでもあります。
梅には、血圧安定作用や、疲労回復効果、腐敗防止、腸内環境改善、血流改善、肝機能改善など、上げればきりがないくらいの健康効果があります。

梅には腐敗防止効果があるため、暑い日のお弁当に梅干を入れて行くと食中毒の予防になります。また、食中毒の応急処置として、梅肉エキスが効果があります。食中毒の原因菌にもよりますが、5グラムくらいの梅肉エキスを何回かに分けて飲むと、症状を軽くして行くことができます。

梅の酸味は食欲不振や夏ばて解消、乗り物酔いの予防にもなります。
また、胃液の分泌を正常化し、消化吸収の働きを整えるため、胃潰瘍の予防になったり、下痢や便秘を改善する作用もあります。
その他、梅はアルカリ性であるため、体液が酸性に傾くのを抑えたり、血液をきれいに保つ働きがあり、肝臓病や腎臓病の予防にも効果があります。

ちょうど、新鮮な梅が出回っている時期なので、梅干や梅ジュースなどを作ってみましょう。梅干は保存もきき、毎日1個ずつでも食べるとよいのですが、塩分を取りすぎると逆効果になってしまいますので注意してください。

2010/06/07

シニアと食中毒予防

6月から9月にかけて、日本では食中毒が最も増える時期です。食中毒は、食中毒菌や食中毒菌が出す毒素に汚染された食品を食べることが原因で発症しますが、食中毒菌は高温多湿の環境で活動が活発化するため、この時期に食中毒の発生も多くなるのです。
代表的な食中毒菌には、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、O157(腸管出血性大腸菌)などがあります。

食中毒は、健康で体力があればたとえ食中毒菌が体の中に入っても発症しないことが多いのですが、注意しなければならないのは、持病のあるシニアの方や抵抗力が弱い乳幼児や高齢者です。時には命にかかわることもありますので、吐き気、嘔吐、腹痛、高熱、下痢、血便などの症状が出たら、早めに医師の診断を受けましょう。

食中毒を予防するためには、食品に細菌が感染しないように調理の前や食事の前には手を良く洗うことが大切です。野菜や魚介類なども流水で良く洗い、肉類は中まで十分に火を通すようにしましょう。食中毒菌の殆どは、75度C以上の熱で1分間以上加熱することにより、死滅します。
まな板や包丁などの調理器具はまめに洗浄、消毒を行い、生魚や生肉などを調理した後は熱湯をかけておきましょう。
また、この時期は食中毒を防ぐために電子レンジを大いに活用しましょう。お店やコンビニで購入した惣菜やお弁当は、電子レンジで加熱してから食べると安心です。冷凍品を解凍する場合も常温で解凍するより、電子レンジを利用したほうが、安全性が高くなります。

2010/06/05

爪水虫の感染を防ごう

高温多湿の梅雨の時期は、水虫が悪化しやすくなりますが、爪の水虫も同様です。
爪水虫は、通常の水虫と同じ「白癬菌」と呼ばれる菌が爪と皮膚の間に入り込んで起こります。足の親指に発症するケースが一番多いのですが、かゆいという自覚症状がないため、いつの間にか進行してしまうという特徴があります。50代では5人に1人が爪水虫にかかっているとも言われています。

爪水虫の症状は、爪が白く濁ったり、厚みが出て変形したり、黄色みがかってきたり、進行するとぼろぼろと欠けて痛みが出ることもあります。

時々、足の爪を確認してみて上記のような症状が見られたら、早めに皮膚科の専門医を受診しましょう。爪水虫は市販薬では治りづらいものですが、病院にて適切な治療を受ければ早い人なら3ヶ月くらいで治癒します。

爪水虫の原因となっている白癬菌は、空気感染や接触による感染はほとんどありませんが、スリッパやバスマット、じゅうたんなどから家族に感染することがあります。女性や子供は水虫には感染しないのではないかと思われがちですが、そうではありません。
通常の水虫でも爪水虫でも子供にも感染することもありますので、注意が必要です。

爪水虫を家族に感染させないためにも、早期の治療を心がけ、白癬菌を家族共用のものに移さないように気を配りましょう。

2010/05/26

トマトの健康効果

新鮮なトマトが出回っています。
トマトは、そのまま食べてもおいしく、サラダにしたりスープにしたり色々な食べ方が楽しめます。
その上、トマトには非常に優れた健康効果があり、シニアの方の健康にとっても頼もしい食材なのです。

トマトにはカリウムが豊富に含まれていますが、このカリウムは体内の余分な塩分を尿と一緒に排出する働きがあるため、血圧を下げる効果があるのです。高血圧に悩んでいるシニアの方は新鮮なトマトをたくさん食べるようにしてみてください。今はトマトジュースなども市販されていますが、塩分の入ったものは逆に血圧を上げることになってしまいますので、注意してください。

また、トマトに含まれる赤い色素のリコピンには、β‐カロテンの倍の抗酸化作用があるとされています。リコピンは、老化の原因になる活性酸素を退治してくれる頼もしい物質なのです。そればかりか、抗がん作用も認められています。
トマトには、水溶性の食物繊維ペクチンも含まれており、このペクチンは便秘を改善する他、体内の老廃物や有害物質の排出を促したり、コレステロールを下げて動脈硬化を予防する働きもあります。

また、美容に良いビタミンAやビタミンCの他、トマトには毛細血管を丈夫にするビタミンPやビタミンHが含まれ、これらは血管を丈夫にしてくれます。
最近では、このようなトマトの健康効果が注目され、サプリメントや健康食品も開発され販売されています。しかし、新鮮なトマトが出回っている今の時期、思いっきりトマトのおいしさを味わって、健康を維持したいですね。

2010/05/17

40代から現れるしみ・老人性色素斑を予防しよう

「老人性色素斑」と呼ばれるしみは、主に40代以降にあらわれますが、30代で現れる人もいます。50代以上では約80%の人に現れるとも言われています。このようなしみは何とか防ぎたいですね。

老人性色素斑は、顔や腕、手の甲、肩などの日光にあたりやすい部分に多く発生し、小さな色素斑がポツポツとできる場合と、それらがくっついて数センチほどの大きな色素斑として現れる場合もあります。
このような老人性色素斑ができる原因は、紫外線と皮膚の老化現象ですが、特に紫外線の影響が大きく、「日光黒子」とか「日光色素斑」と呼ばれる事もあります。
肌が紫外線に当たると、その紫外線から守ろうとして表皮の一番下にあるメラノサイトという細胞が活性化され、黒いメラニン色素がたくさん作られます。しかし、老化に伴い細胞活性が衰えるとそのメラニンの代謝も悪くなり、皮膚にたまってしみとなるのです。

老人性色素斑を予防するには、5月から9月の時期は特に紫外線を浴びないようにする事が重要です。洗濯物を干したり、植木に水をやったり、近くへ買い物に出かけたりといった短時間の外出でも、紫外線を浴びてしまいます。日焼け止めクリームを塗ったり、帽子をかぶるのを忘れないようにしてください。

うっかりして紫外線を浴びてしまったら、化粧水でたっぷり水分を補給した上で、メラニン色素の生成を抑えるために、美白用の美容液やクリームなどを塗っておきましょう。
また、寝苦しい時期でも、睡眠はしっかりとりましょう。睡眠は昼間にダメージを受けた肌を回復させてくれます。

2010/05/13

メイラード反応と肌の老化

メイラード反応とは、食品に含まれるタンパク質やアミノ酸と糖が化学的に作用して褐色物質を作る反応です。たとえば、パンやクッキーを例にあげると、材料の小麦粉にはタンパク質が含まれ、卵や牛乳にはアミノ酸が含まれています。そこに砂糖を入れて焼くと、褐色に変化します。これがメイラード反応と言われているものです。食物のメイラード反応は、こんがり焼けて香ばしい匂いがしておいしいものですが、これと同じ事が人間の体の中でも起こっているのです。

私たちの体は、実際に火が燃えているわけではありませんが、生きている限り体の中でエネルギーが燃やされ、消費されています。そしてタンパク質、アミノ酸、糖は重要な栄養素として取り込まれますが、これらが反応し合うと、タンパク質同士が不必要につながってしまい、コラーゲンの結合や硬化が起き、肌の老化や血管の老化が始まります。メイラード反応を起こしたコラーゲン同士が結合したものを終末糖化生成物(AGE)と言っていますが、加齢に伴いこのAGEが体の中に蓄積されて行き、しわができたり、肌のハリが失われたり、くすみやシミの原因にもなったりします。

人間にとってのメイラード反応とは、まるで老化に伴い体が焦げて行くようなイメージですね。「年をとるにつれ、体が硬くなる」とよく言いますが、この言葉はメイラード反応による皮膚や血管、関節などが硬くなる事と無関係ではないようです。このメイラード反応を防ぐ方法は、今のところまだ解明されていません。しかし砂糖の大量摂取がメイラード反応を加速させることがわかっています。肌の老化を防ぐために、砂糖や果糖の大量摂取をできる限り避けるようにしましょう。

2010/05/09

アルツハイマー型認知症の新しい治療薬

アルツハイマー型認知症の新しい治療薬が2011年から相次いで販売されます。国内のアルツハイマー型認知症治療薬は現在、脳内神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害するエーザイの「アリセプト(錠剤またはゼリー状)」のみとなっています。
しかし、今後は高齢化社会の進行に伴って、アルツハイマー型認知症の患者が増加する事が予想されるため、製薬各社も新薬の開発に力を入れています。

第一三共は、中~高度の症状のアルツハイマー型認知症患者に使用できるものとして、アリセプトと作用の仕組みが異なる「メマンチン」の販売承認を申請中です。

米ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセンファーマ(東京)は、武田薬品工業と共同で認知機能に重要な役割を果たす物質の分泌を促すという「ガランタミン」を錠剤、口腔内崩壊錠、内用液の3剤形で発売することになっています。

ノバルティスファーマ(東京)と小野薬品工業は、世界唯一の経皮吸収型製剤(貼付剤)である「リバスチグミン」を発売する事になっています。認知症の患者は、薬を飲んだ事を忘れる事がありますが、貼るタイプなら薬剤の使用状況が用意に確認できる利点があるとしています。

このように、新しい薬が開発・販売される事は明るいニュースではありますが、これらの薬は病気の進行を遅らせるものであり、アルツハイマー型認知症を根本的に治療できる薬はまだ実用化されていないようです。

2010/05/06

紫外線対策にすいか糖エキス

紫外線は、シニア世代の健康にとっても大敵ですね。
昔は、日光に当たって日に焼けたほうが健康に良いと言われましたが、オゾン層が破壊された現在はできるだけ避けたほうが良いと言われるようになりました。紫外線は、皮膚の老化を引き起こしますが、最悪の場合は皮膚ガンが発生する事もあるからです。
そのため、日焼け止めクリームなどで、外側から紫外線をブロックする必要がありますが、実は内側からできる紫外線対策もあります。

それが「すいか糖エキス」です。
これから夏になると出回るスイカには、紫外線によって体内に作られた活性酸素を消す働きのあるシトルリンというものが含まれています。
また、スイカやトマトの赤い色素であるリコピンは、活性酸素を取り除く他、シミの原因となるメラニンの生成を抑制する働きがあります。スイカに含まれるリコピンの抗酸化作用は、ビタミンEの100倍もあるそうです。
身体の中の紫外線対策として、スイカをたくさん食べるといいですね。
しかし、そんなにたくさん食べられないというシニアの方には「すいか糖エキス」がおすすめです。
「すいか糖エキス」は、市販されているものもありますが、スイカが出回る時期に家庭で作る事もできます。
参考サイト ⇒すいか糖エキスの作り方・イラスト図解

2010/05/04

紫外線と光老化の関係

日に日に日射しが強くなり、夏日の日が増えてきました。
花粉の季節が終わりホッとしましたが、これから注意しなければならないのが「紫外線」です。
紫外線は、人間の肌にもろに影響を与えるからです。

皮膚は表皮とその下の真皮層の二層になっていますが、紫外線を何度も浴びると、表皮にメラニン色素が沈着してシミを作ります。
また、真皮層まで届いた紫外線は、皮膚のハリや弾力を保っているコラーゲン繊維やエラスチン繊維を断ち切ったり、変形させたりして肌をたるませたり、シワを作ります。そうするといわゆる「老け顔」の状態になってしまいます。このように、紫外線が原因の肌の老化を「光老化」と言っています。

これからの季節、外出する時は日焼け止めクリームや帽子、日傘などで、必ず紫外線対策をしましょう。
紫外線は、直接日光に当たらなければ影響はないと思いがちですが、曇りの日でも降り注いでいます。また、窓ガラスを通過することもあるので室内なら安全というわけでもありません。
肌の老化を防ぐためにも、紫外線にはくれぐれも注意しましょう。

2010/04/29

1日に抜ける髪の毛の本数

シニア世代の深刻な悩みのひとつに髪の悩みがあります。
ブラッシングをしたり、シャンプーをしたりする時に髪の毛が何本も抜けると「もしかして脱毛症では・・・」と心配になりますね。
しかし、1日に50本~100本は自然脱毛と言って誰でも抜けるので心配はありません。

髪の毛の一生はヘアサイクルと言いますが、平均して4~6年です。
髪の毛全体の80%から90%は「成長期」で、この期間は3~5年。この後に約2~3週間の「退行期」があり、この時期は髪の成長が弱まります。そして最後に3~4ヶ月の「休止期」があり、この時期は髪の成長が止まりますが、この休止期にあるのは髪の毛全体の10%~20%です。
人間の髪の毛は平均して約10万本あるので、1日50~100本は抜ける計算になります。
また、春や秋など季節の変わり目には1日に150本~200本の髪の毛が抜けることもあります。

自然脱毛の場合、抜けた後の頭皮の中では、次に生える髪の準備が着々と進められています。
問題なのは、毛穴に皮脂がつまって炎症を起こしていたり、ホルモンや紫外線、その他の影響で次の髪の毛が生えて来ない時です。また、血行不良で栄養が行き届かなくなり、生えてきても産毛のような細い毛だった場合、薄毛や脱毛症が進行してしまいます。
あまりにも抜け毛が多い時は、殆どの場合、頭皮の地肌に原因がありますので、皮膚科を受診してみましょう。

2010/04/24

手のふるえとパーキンソン病

シニアの方や高齢者の方の手がふるえる原因で「本態性振戦」の次に多いのが、パーキンソン病の初期症状としての「手のふるえ」です。
パーキンソン病は、現代の日本では65歳以上の100人に1人という確率で見られる病気で、50歳代後半から60歳代が発症のピークと言われています。パーキンソン病の原因は全てが明らかにはなっていませんが、脳内の黒質神経細胞の数が減るためとされており、ここで作られる神経伝達物質のドーパミンが減少してしまい、色々な症状を引き起こすとされています。

パーキンソン病は、完治は難しい病気とされていますが、近年では新しい治療法や薬も開発されており、平均寿命より長生きする人もたくさんいます。
予後を良くし、天寿をまっとうするためには、パーキンソン病の初期症状を見逃さずに早期に治療を開始する事が大切です。

パーキンソン病の初期症状として、最も良く見られるのは「手のふるえ」です。「本態性振戦」と異なりパーキンソン病による手のふるえは、左右どちらかから始まります。親指が良く動き、ちょうど薬を包んだ紙を丸めるようなふるえ方をします。また、何か動作をする時にふるえるというよりも、何もしていない時にふるえるという特徴があります。2~3年後には、左右の手がふるえるようになり、腕や脚、顎などがふるえる事もあります。
その他、パーキンソン病の初期症状として、歩行困難や動作緩慢などが見られる事があります。
このような症状が見られたら、早めに神経内科などの専門医を受診しましょう。

2010/04/21

手がふるえる本態性振戦とは?

手のふるえに悩むシニアや高齢者の方が多くなっています。全国では400万人もの方が原因不明の「手のふるえ」に悩んでいるそうです。
お茶を飲もうとして手がふるえたり、字を書こうとしてうまく書けなかったり・・・そんな時は、何かの病気の前ぶれではないかとちょっと不安になりますね。

手のふるえが急に起きて、めまいやしびれなどを伴う時は動脈硬化による脳梗塞の可能性もあるため、一刻も早く脳外科などの専門医を受診しなければなりません。手がふるえる原因は、その他にパーキンソン病によるもの、甲状腺機能亢進症によるもの、薬剤の影響によるもの、アルコールやタバコなどの中毒によるものなどがあります。しかし、ふるえ以外に他の神経学的な異常がないもので、本態性振戦(ほんたいせいしんせん)というものがあり、これが圧倒的に多くなっています。

本態性振戦は、ふるえ以外に悪いところはないので原因もはっきりしませんが、性質的なものと考えられています。本態性振戦の特徴は、何もせずじっとしている時はふるえませんが、字を書こうとするとペンを持つ手がふるえたり、湯のみやコップで何かを飲もうとすると手がふるえてうまく持てないなどの症状が出る事です。また、緊張したり、ストレスがあるとふるえがひどくなる傾向があり、人前で話す時に声がふるえたり、頭が細かくふるえる事もあります。

パーキンソン病による手のふるえは、何もしていない時に起こりやすく、何か動作をしようとするとふるえが軽くなる傾向があり、本態性振戦と区別する事ができます。
また、パーキンソン病の場合は進行性のため治療が必要ですが、本態性振戦による手のふるえは何年も進行する事はありません。しかし、ふるえがあまりにもひどく、日常生活にも支障をきたすような場合は、神経内科などできちんとした検査を行った上、治療を受けましょう。

2010/04/12

がんは予防できる病気

日本では今、がんは死亡原因の第一位となっており、全死亡数に占める割合は30.3%となっています。約3人にひとりが、がんで亡くなっている事になります。
シニア世代にとっては、決して無視できない数字です。
がんと聞くと、「不治の病」というイメージが強く、恐怖さえ感じてしまいますが、しかし、がんは本来予防できる病気なのです。また、たとえがんになったとしても、早期発見なら現在の医療技術により完治が可能な病気になって来ています。

人間の体の中では誰でもがん細胞が発生しています。40歳を過ぎると毎日5,000個以上のガン細胞が発生していると考えられています。私たちを取り巻く生活環境には発がん物質と言われるものが数多く存在していますが、その発がん物質の影響で正常な細胞の遺伝子が変異を起こし、がん細胞が生まれるのです。しかし誰もががんになるわけではありません。毎日生まれているがん細胞を身体に備わっている免疫監視機能が発見し、撃退しているため、多くの人はがんにならずに済んでいるのです。

がんを予防するには、身の回りから発がん物質を退ける事が大切です。
しかし、それよりも大切なのは、普段から免疫力をアップしておく事です。身体の中の免疫監視機構が正常に作動すれば、がん細胞を排除してしまうことができるからです。

免疫力をアップして、がんを予防するにはバランスのとれた食生活や、無理のない規則正しい生活が大切です。また、睡眠をたっぷり取り、ストレスをためないようにしましょう。
「アクティブシニア」と言われるように、毎日を活動的に生き生きと生きる事も大きながん予防法です。

中高年からのガン予防

2010/04/11

季節の変わり目の体調不良に注意

季節の変わり目になると、決まって体調を崩すという方がいます。
風邪をひいたり、原因不明の肩こりや胃腸障害、頭痛や吐き気などの症状が現れたりします。
特に今の時期は気温の高低差が激しく、今日は暖かいけれど次の日は冬に戻ったかのように寒いという事が頻繁にあります。

そのような気温の変化に自律神経が対応しきれなくなると、免疫力や抵抗力が落ちてしまい、風邪をひきやすくなったり、まるで自律神経失調症のような色々な症状が現れたりします。
それは気温の変化ばかりではなく、環境の変化も影響してきます。
4月と言えば、学校や企業では新年度を迎え、人間関係も変わって来て精神面のストレスもたまります。企業の第一線で働いているシニアの方にも、すでにリタイアしてセカンドライフを楽しんでいるシニアの方にとっても、4月は何らかの変化のある月なのです。
自律神経がそのような環境の変化に対応しきれなくなると、体調不良という形で現れて来ます。

このような季節の変わり目の体調の変化を避けるには、気温の変化を肌で感じられるようにしておく事です。夏も冬もエアコンで一定の温度の中にいたのでは、人間の体が本来持っている気温の変化に対応していく力を眠らせてしまうことになります。気温の変化を肌で感じ、寒かったら上着を一枚はおる、暑かったら半そでの服を着るなどの工夫をしてみましょう。
このように自律神経を鍛え、正常に働くようにしておけば、体調不良も消滅して行きます。
また、精神面では、環境の変化をおおらかな気持ちで受け入れてみましょう。変化を楽しむくらいの余裕があれば、季節の変わり目に自律神経が乱れることも、体調を崩すこともなくなります。

2010/04/07

骨盤スクワットで肥満予防

シニアでも手軽にできる健康法として「骨盤スクワット」があります。
この骨盤スクワットは、日暮里身体均整院院長の小倉誠先生が開発したものですが、「安心」という雑誌に何度か紹介されたり、書籍も販売されているという人気の健康法になっています。

骨盤スクワットは、開いた骨盤を1日1回のスクワットをやる事により、閉じて行くというものです。骨盤が閉じると、太りにくい体になるばかりでなく、腰痛や便秘の改善、生活習慣病の予防、肩こりの改善、尿漏れの改善など、さまざまな健康効果が期待できます。

骨盤スクワットのやり方は、次の(1)から(3)までを1セットとして1日1回行います。

(1)両足を肩幅に開いてつま先を外側に向けて立ち、45秒かけてゆっくりと腰を落として行きます。
その後、15秒かけて元の姿勢に戻します。
(2)両足を肩幅より広く開いてつま先を内側に向けて立ち、45秒かけてゆっくりと腰を落として行きます。その後、15秒かけて元の姿勢に戻します。
(3)両足を肩幅に開いてつま先を内側に向けて立ち、15秒かけて体を前方に傾けます。その後ゆっくりと元の姿勢に戻します。

やる事は簡単なのですが、腰や太ももの筋肉を使います。ちょっときついと感じるシニアの方は無理をせず時間を短縮するなど、マイペースで行ってください。
骨盤スクワットは、1週間行ったら3日休むように指導されていますが、腰や太ももに筋肉痛などが現れる場合は、休む日を増やしてください。
また、体のバランスを崩しそうになる場合は、机やテーブルなどに手を添えて行ってください。

骨盤スクワットの詳しいやり方はこちらのサイトをごらんください。
  ⇒骨盤スクワットのやり方・イラスト図解

2010/04/02

黒豆の老化防止効果

黒豆の栄養や健康への効果は、以前から実証されていましたが、最近テレビで紹介されてからますます黒豆の人気が高まって来ましたね。
特にシニア世代が注目したいのは、黒豆の老化防止(アンチエイジング)効果です。

人間の体は、加齢に従って活性酸素がたまって来ます。活性酸素は、普通に生活していても発生しますが、大気汚染やストレス、紫外線などの影響でどんどんたまって来ます。そしてその活性酸素は動脈硬化などの生活習慣病を引き起こす他、肌のシミやしわ、たるみなどの老化現象として現れて来ます。その上、ガン細胞の発生にも大きくかかわって来ます。

黒豆には、このような活性酸素の増加を防ぎ、除去する働きがあるので、老化防止の効果があるのです。
特に黒豆の黒い皮には、ポリフェノール「アントシアニン」が多く含まれており、このアントシアニンに抗酸化作用があるのです。アントシアニンの効果で、活性酸素が除去されれば、血液もサラサラになり、高血圧や動脈硬化を予防する事ができます。しみやシワを防ぎ、美肌効果もあるので、肌がつやつやして来ます。
また、アントシアニンと言えばブルーベリーの視力向上作用が良く知られていますが、黒豆に含まれるアントシアニンにも同様の効果があります。目の疲れや老眼の防止にも役立ちますね。

このようにすばらしい効果のある黒豆をもっとたくさん食べるようにしたいですね。黒豆はスーパーなどでも売っていますが、最近は、黒豆茶とか、黒豆で作ったサプリメントなども色々な種類のものが販売されています。

2010/03/27

春先は皮膚炎の悪化に注意

春は、皮膚炎が悪化しやすい季節です。
その原因は、冬の間は寒さで汗をかくこともあまりありませんでしたが、春になって暖かい日が続くと汗をかくことが多くなり、汗腺の開閉がまだ不十分なため、発疹や湿疹が出やすくなるからです。
また、春先は季節の変わり目で、内分泌系や自律神経系のバランスがくずれがちである事も皮膚炎が多い一因として考えられています。
この時期は温度調節が一番難しい時期ですが、厚着をして汗をかいた場合はこまめに汗を拭き取らないと、雑菌の温床となり、かゆみが出てきます。

外に出ると色々な植物が芽を出していますが、注意しないと植物に触れただけで皮膚炎がおこる「接触性皮膚炎」というものもあります。接触性皮膚炎は、刺激による「一時刺激性接触性皮膚炎」と「アレルギー性接触性皮膚炎」とに分けられますが、「一時刺激性接触性皮膚炎」は誰もがかかる可能性のある皮膚炎です。
注意しなければならないのは、「アレルギー性接触性皮膚炎」で、ある特定の物に触れたときにアレルギー反応を起こし、皮膚炎が悪化するというものです。
この「アレルギー性接触性皮膚炎」は、最近シニア世代の方にも増えていますので、注意してください。皮膚が赤みをおび、急激にブツブツができたり、体のあちこちに広がった場合は早めに皮膚科を受診しましょう。病院では、ステロイド軟こうなどで治療をしますが、処置が早ければ回復も早くなります。

2010/03/24

漢方薬の副作用と瞑眩(めんげん)の違い

最近は、東洋医学が見直され、通常の病院でも「漢方薬」を処方される事も多くなってきました。
2000年以上もの歴史のある漢方薬は、特に慢性疾患や体質改善を必要とする疾患の改善に効果があります。
ところで、漢方薬は化学合成された「西洋薬」とは異なり、自然界のものから作られるため、効き目が穏やかで副作用はないと思われがちですが、使い方によっては、副作用の症状が現れることがあります。
漢方薬の副作用としては、むくみ、胃腸障害、血圧上昇、尿量の減少、間質性肺炎などが良く知られています。

また、漢方薬には瞑眩(めんげん)というものがありますが、これは漢方薬独特の症状で、副作用と間違えやすいので注意が必要です。
瞑眩(めんげん)とは、ひと言で言えば「好転反応」のようなものですが、漢方薬による治療中に症状が一時悪化し、その後回復するという経緯をたどります。瞑眩(めんげん)の多くは、漢方薬を飲んでから1~2日後に現れる事が多いようです。
副作用が出た場合は、そこで漢方薬の服用をストップする必要がありますが、瞑眩(めんげん)の症状が出た場合は、漢方薬の服用を続けるうちに症状が改善したり、軽減してきます。

しかし、漢方薬の副作用と瞑眩(めんげん)の違いは、一般人には判断が非常に難しいとされています。
そのため、漢方薬の使用に関しては専門医か、または漢方薬に詳しい薬剤師の指示のもとに服用する事が大切です。

2010/03/19

朝、すっきり目覚めるには?

気候も暖かくなり、過ごしやすくなって来ました。
朝、真冬の頃はひんやりとしていた部屋の中もぽかぽかとして、つい寝過ごしてしまうという方もいますが、「どうもすっきり起きられない」というシニアの方もいます。
そんな時は、眠ったはずなのに、何か体の疲れが取れず頭もどんよりとしている場合が多いようです。

できれば、朝はすっきり目覚めたいですね。
そのためには、眠る前にちょっとした工夫が必要です。
寝る前に体をちょっと動かして、軽いストレッチなどをしてみましょう。その後、ゆったりと入浴をして汗を流し、リラックスします。
寝る前の30分間は、刺激的なテレビドラマを見たり、推理小説などを読むとぐっすり眠れなくなる原因になりますので避けましょう。また、寝る直前のカフェインの摂取は、神経を興奮させますので、控えてください。コーヒーや紅茶を飲むよりは牛乳を温めたホットミルクがおすすめです。

また、朝、すっきりと目覚める事ができない原因のひとつがストレスです。ストレスがあると眠りが浅くなり、質の良い睡眠が取れません。
たとえ心配ごとがあっても「時間が経てばどうにかなる」と、おおらかに構え、考えないようにしましょう。ラジオの深夜放送などを聴いて、注意をそちらに向けるのもひとつの方法です。クラシックなどの好きな音楽をゆったりと聴くのもストレス解消には効果的です。

一年で一番過ごしやすいこの季節、すっきりと目覚めて有意義な1日を過ごしたいですね。

2010/03/15

白髪が増える原因は?

白髪は、多くの場合40代、50代くらいから現れ始め、60代を過ぎると徐々に増えて来ます。いつまでも若々しくいたいと願うシニアの方にとっては、何とか白髪になるのを防ぎたいところですね。

人間の髪の毛は、元来は生えた時は白い色をしています。頭皮にある毛母細胞にメラノサイト(色素形成細胞)というものがありますが、ここでメラニン色素が生成され、髪の毛に黒い色がつけられるのです。
しかし、年を経るに従ってこのメラノサイトはメラニン色素を作る力が弱くなったり、メラノサイト自体が減少してしまいます。
そのため、生えてきた髪の毛を着色する事ができなくなり、白いまま成長してしまいます。それが白髪となるわけですが、メラノサイトが減少するにつれ、白髪の数も徐々に増えて行くのです。
これが加齢に伴って白髪が増える主な原因ですが、他にも頭皮の血行不足や栄養の不足、ストレスによる代謝の低下、睡眠不足や喫煙なども関連してきます。
これ以上、白髪を増やさないためには、日常生活にも気を配りひとつひとつの原因を取り除いて行く事が大切です。

また、白髪が増えたからと言って必要以上に落胆する事もありません。
現在は、ヘアカラーやヘアマニキュア、カラーリンス、白髪染めシャンプーなど、白髪を上手にカバーするための製品がたくさん出回っています。自分の髪質に合ったものを選び、効果的に利用しましょう。

しかし、白髪を決して隠そうとせず、自分の個性として生かし、堂々としているシニアの方もたくさんいます。白髪は、生かし方によっては自分の魅力に変える事もできるのです。

参考リンク 老化現象と白髪の関係

2010/03/10

内臓脂肪型肥満を防ごう

寒い時期は外に出かけるのもおっくうになり、気がつくとお正月からずっと運動不足というシニアの方は、「内臓脂肪型肥満」に注意しましょう。

肥満には、2つのタイプがあって、下腹部や腰の周り、太もも、おしりの周りなどの皮下に脂肪が溜まるタイプを「皮下脂肪型肥満」と言い、内臓の周りに脂肪が溜まる肥満を「内臓脂肪型肥満」と言っています。
一般に腹囲が男性では85cm以上、女性では90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満が疑われ、メタボリックシンドロームの危険があると言われます。

「ちょっとお腹周りに脂肪がついてきたな」と感じたら、内臓脂肪型肥満になる前に対策をとりましょう。シニア世代になると、若い頃に比べ基礎代謝量が落ちて来ます。基礎代謝量とは、何もせず横になっているだけで、心臓が動いたり、呼吸をしたりするためのエネルギー消費量ですが、その基礎代謝量が落ちているという事は、若い頃と同じ量の食事をとると、消費しきれなかったエネルギーが脂肪として身体に溜まるという事です。

しかし、脂肪がたまるのを防ぐ方法があります。
それが、有酸素運動と言われるもので、ウォーキングやジョギング、スイミングなどの身体に負担がかからず酸素を多く取り込む運動法です。
また、可能であれば時には腹筋や腕立て伏せなどの運動で、筋肉量を増やしておきましょう。
筋肉は、身体の中でも多めのエネルギーを消費するからです。

そろそろ寒さも緩み、暖かくなってきますね。
メタボリックシンドロームになる前に、外へ出て運動し、内臓脂肪を減らしましょう。

2010/03/07

多重花粉症が増えている

本格的な花粉症のシーズンになりました。
すでに、スギ花粉による花粉症の症状に悩まされているシニアの方も多いと思いますが、最近はスギ花粉以外の他の花粉にもアレルギー反応を起こす「多重花粉症」が増加しているそうです。
「鼻すっきりの健康学 花粉症に負けない知識と『粘膜1本注射療法』」(講談社)の著者である耳鼻咽喉科専門アレジオ銀座クリニックの呉孟達(ご・もうたつ)院長によると、同クリニックを受診した鼻炎症状を訴える患者の約60%に2種類以上の花粉アレルギーが見られたという事です。

スギ花粉は、2月下旬から4月中旬に飛散量のピークを迎えますが、他にもヒノキ(3月中旬から4月下旬)、カモガヤ(5月上旬から6月下旬)、ブタクサ(8月中旬から9月下旬)、ヨモギ(9月中旬から9月下旬)ハンノキ(3月中旬から4月中旬)などが花粉症を引き起こすものとして知られています。
また、花粉ばかりでなくハウスダストやダニ、カビ、動物の毛などを抗原とするアレルギーを合併している人も増えているそうです。

このように、花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状の原因となるものは私たちの身近にいくつも存在するわけですが、2種類の花粉に反応する場合を「2重花粉症」、3種類の場合は「3重花粉症」という事になります。
呉孟達(ご・もうたつ)院長によると、こうした多重花粉症の場合は、鼻の粘膜が炎症を起こしている期間が長く、抗原に対する粘膜の防衛機能が落ちているため、アレルギーの重症化や多重化につながるとして注意を促しています。

現在は、花粉症の新しい治療法も色々と確立されていますので、スギ花粉症と言えども放置しないようにする事が大切です。

2010/02/25

腹式呼吸の効果と健康増進

普段、私たちはあまり意識せずに呼吸をしていますが、日本人は胸で呼吸をする「胸式呼吸」が多いと言われます。それに対してお腹をふくらませたり、へこませたりして、横隔膜を上下に動かして行う呼吸を「腹式呼吸」と言っています。
腹式呼吸は、ヨガや気功、太極拳などを行う場合の基本となっていますが、健康増進のために大きな力を発揮するのです。横隔膜を上下に動かす事により、お腹にたまった血液を全身にめぐらせ、酸素や栄養素を体中に運ぶ事ができるので、多くの病気を予防する事ができます。また血圧の上昇を防いだり、脳を活性化したり、便秘の改善や冷え症の改善、老化防止やダイエット効果まであるのです。その他リラクゼーション効果もありますので、精神安定にも役立ちます。
このようなすばらしい効果のある腹式呼吸は、できれば毎日やりたいですね。

腹式呼吸のやり方は、まずゆっくりと口から息を吐き、おなかをへこませます。身体の中の二酸化炭素を外に出すわけですが、身体にたまった悪いエネルギーを一緒に出す事をイメージしてやると効果的です。次におなかをふくらませながらゆっくりと鼻から息を吸います。新しいエネルギーを身体に取り入れるというイメージでやってみましょう。

腹式呼吸をやる時の姿勢は特に決まりはありませんので、椅子にかけて行っても、立ったままでも、あるいは布団に横になった時に行ってもOKです。楽にできる姿勢で行ってみましょう。
腹式呼吸のポイントは、「吐く・吸う」をゆっくり行う事とおへその下あたりの丹田(たんでん)というツボを意識して行う事です。丹田は身体の中心と言われるところなので、ここから全身に新鮮な血液とエネルギーが流れて行く事を意識して行いましょう。
また、腹式呼吸は毎日行うようにするとさらに効果的です。

2010/02/22

トイレが近い・シニアの頻尿の悩み

トイレが近い、トイレに行く回数が多いという悩みを持つシニアの方は少なくないようです。またこのような悩みはなかなか人には言えないため、がまんしてしまうという場合が多いようです。
人間は誰しも加齢とともに膀胱の機能が低下するため、膀胱にためておける尿の量が少なくなったり、尿意を我慢するのが難しくなります。
しかし、トイレに行く回数が1日に4~7回、夜間は1回なら正常な範囲です。昼間10回以上、就寝時2回以上の場合は頻尿の疑いがあります。

頻尿の原因としては、尿道や膀胱など泌尿器の疾患による病気による場合と、神経性や心因性の場合とがあります。この中でも最も多いのが、自分の意思とは関係なく膀胱が勝手に収縮してしまう「過活動膀胱」と言われます。シニア世代の10%以上、約800万人の人が過活動膀胱の症状で悩んでいると言われています。過活動膀胱による頻尿は、老化、神経障害、脳梗塞、前立腺肥大症、ホルモンバランスの崩れなどが原因となっています。しかし、原因が特定できない「突発性過活動膀胱」も多くなっています。

他に膀胱の粘膜が細菌に感染したために起こる「膀胱炎」も頻尿を引き起こします。
また、高血圧の薬による利尿作用やコーヒーなどに入っているカフェインの作用でも頻尿は起こります。
頻尿の悩みは本人にしかわからず、本当につらいものですが、我慢せずに思い切って泌尿器科の専門医を受診してみましょう。現在は色々な治療薬も開発されています。

参考サイト 頻尿の悩み・原因と対策は
  

2010/02/08

シニアの花粉症対策

そろそろ花粉が飛び始めて来ました。毎年、花粉症に悩まされるシニアの方は、早めに予防と対策を取りましょう。
最近は、テレビや新聞の「天気情報」と合わせて、「花粉情報」が提供されるようになりました。それにより、花粉の飛ぶ日がある程度予測できるようになりましたが、特に晴れて気温が高い日や、風が強く空気が乾燥している日は花粉が多く飛ぶというデータがあります。 また、雨の日の翌日で晴れた日は、雨で地面に落ちていた花粉が空気中に舞い上がるため、飛散量が多くなります。

花粉が多く飛ぶ日が予測できたら、花粉症を悪化させないための対策を取りましょう。
まず、外出する場合は、マスクやメガネをつけて花粉が人体に入り込まないようにしましょう。目が充血したり、赤くなったり、涙が出たりという目の異常を防止するためには、メガネの着用が望ましいのです。最近は、サイドにガードが付いている「花粉症専用のメガネ」も市販されています。また、部屋の中に花粉を撒き散らさないために、「空気清浄機」の使用も効果があります。

花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、かゆみ、目の充血などですが、毎年、重症化するというシニアの方は、早めに対策を立てましょう。

花粉症の治療のため病院に行くと、花粉が本格的に飛散する2週間前からの「薬物療法」が勧められます。病院では、一般に「抗アレルギー薬」の内服を基本に、各自の症状に合わせ、点鼻薬や点眼薬が処方されます。症状がひどい場合は、即効性のある「第一世代抗ヒスタミン剤」が処方される事もあります。この第一世代抗ヒスタミン薬は、副作用として眠気、喉が渇く(口渇)などの症状が出やすいため、あまり長期間の使用は望ましくないとされています。
また、副作用の少ない穏やかな効き目を望むなら、漢方薬という選択もあります。花粉症を予防したり軽減する漢方薬としては、葛根湯、葛根湯加川弓辛夷、麻黄附子細辛湯、 辛夷清肺湯などがあります。

2010/02/02

変形性膝関節症とヒアルロン酸

寒い朝、起き掛けにふと、膝の痛みを感じる事はありませんか?膝の痛みの多くは「変形性膝関節症」と言われるもので、特に中高年・シニアの女性に多くなっています。最初は膝関節がこわばり、何となく違和感を覚える程度ですが、徐々に歩き始める時に痛みを感じるようになります。歩き続けていると痛みは軽くなってきますが、そのまま放っておくと歩いている時でも、安静にしている時でも痛むようになり、正座ができなくなったり、膝に水が溜まったりします。

このような「変形性膝関節症」の治療法の一つに高分子ヒアルロン酸の関節注射があります。ヒアルロン酸は関節液の主成分で、もともと私たちの体の中にあり、関節がスムーズに動くよう粘性や弾性を保つ働きをしています。しかし、50代以降から体の中のヒアルロン酸はどんどん減って行き、全身の関節の動きがギクシャクとして来ます。これは老化現象のひとつとも言えますが、関節の中でも特に負担のかかる膝に異常が出やすいという事になります。
「変形性膝関節症」では、膝の関節が炎症を起こしており、関節液であるヒアルロン酸の濃度はますます減少している状態です。
そこでこの高分子ヒアルロン酸の関節注射により、ヒアルロン酸を補う事により、膝関節の動きを良くし、痛みを軽減しようとするのがこの治療法の目的です。
関節の動きに重要な働きをしているこのヒアルロン酸には、「飲むヒアルロン酸」というものも市販されていますので、膝にちょっとこわばりがあったり、違和感がある場合は、ためしてみる価値もありそうです。

2010/01/23

風邪予防に乾布摩擦

昔から日本に伝わる乾布摩擦は、シニアにとっても効果的な健康法です。乾布摩擦は風邪予防になる他、冷え性の改善や喘息などのアレルギー疾患の改善にもつながります。
乾いた布で皮膚をこする事により、自律神経のバランスが整えられ、免疫力がアップするからです。全身の血行がよくなるため、新陳代謝も促進され、老化予防にもなります。

人間の身体は、皮膚が一番先に気温の変化を感じ取り、それを脳に伝え、脳は汗を出したり毛穴を縮めたりという指令を出して体温調節を行っています。しかし、何もしないと加齢とともに皮膚感覚は衰えて来ますので、温度の変化に対する反応が遅れ、体温調節がうまく行かなくなっていろいろな症状が出て来ます。

寒い時期こそ乾布摩擦を積極的に行って、皮膚の感覚を鍛えておきましょう。
乾布摩擦は、木綿の乾いた布かタオルで全身をこするだけです。慣れるまでは、弱めにこすり、だんだん慣れてきたら、少し赤みがかる程度にちょっと力を入れてこするようにしてみましょう。
布やタオルでもの足りない方は、乾布摩擦用のたわしなども市販されていますので、利用してみてください。
乾布摩擦を行う時間帯は、朝起きて着替える前が最適ですが、血圧が気になる方は身体が温まって安定してくる午後に行ってみてください。また、お風呂に入る前や寝る前なども効果的です。乾布摩擦を行う場合、必ずしも服を脱がなくても、服の上からこすっても効果があります。

2010/01/19

笑いは老化防止とガン予防に

「笑う」という事は、人間の特権のようなものですが、健康にとても良く、老化防止やガン予防にもなります。笑いは脳の前頭葉を刺激し、それが免疫をコントロールする間脳に伝わり、間脳は神経ペプチドという情報伝達物質を作り出します。神経ペプチドは、血液やリンパ液を通じて身体の中を流れ、免疫細胞のひとつであるNK細胞を増やし、働きを活発化します。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、人体の中でガン細胞が生まれた時にいち早くそれを見つけ、攻撃して消滅させるという頼もしい細胞なのです。

「笑い」はこのように免疫力を高める効果がある他、自律神経がバランスよく働き、ストレスも解消、全身の血行も良くなり、さまざまな老化現象を遅らせます。
また、血圧を下げたり、血糖値を下げる効果もあるので脳梗塞や糖尿病のリスクを軽減します。脳波にアルファ波が多く現れるため、記憶力や集中力も増し、認知症の予防にもなります。
そして、何よりも笑うことにより、家族や周囲の人との人間関係が良くなります。

現代のシニア世代を取り巻く社会環境は必ずしも良くありませんが、免疫力をアップして健康を維持するためにも、毎日笑いながら過ごしましょう。鏡に向かって笑顔を作るだけでも効果があります。90歳とか100歳という高齢で元気な方を見ると、皆いい笑顔をしています。「笑い」と「長寿」は、切っても切れない関係にありそうです。

2010/01/16

ひび・あかぎれの治し方と予防法

空気が乾燥するこの時期、手や足のひび・あかぎれで悩んでいるシニアの方も多いようです。皮膚の一番外側は表皮で覆われていますが、寒さや空気の乾燥などにより水分や油分を失ってしまうと、この表皮の伸縮性が無くなり、反り返って亀裂ができてしまいます。これが「ひび」ですが、さらに悪化して真皮層までひび割れ、血がにじんだりしたものを「あかぎれ」と言っています。

ひびやあかぎれができると、かゆみが出たり痛みが出たりして、とてもつらいものです。手全体が赤くなってひびがたくさん入った時は、夜寝る前にハンドクリームを塗り、もめんの手袋をして寝ましょう。一晩でかなり改善します。あかぎれの部分は、液体絆創膏を塗ると痛みを抑えるとともに、回復が早くなります。液体絆創膏はあかぎれの部分を覆うように塗っておけば、水分をはじきますので、水仕事もできます。塗った時にしみるものと、しみないものがありますので、薬局で購入する時は、注意書きを良く読んでください。

このようなひびやあかぎれを予防するには、室内を乾燥させないようにする事です。また、洗剤は手の皮脂まで落としてしまい、手荒れの原因になりますので、食器を洗う時や洗濯をする時は、必ずゴム手袋やビニールの手袋をしましょう。ハンドクリームをこまめに塗って皮膚の油分を補う事も大切です。保湿効果があり、皮膚を修復する働きのあるアロエ軟膏などを塗るのも効果的です。

また、外側ばかりでなく体の内側からもひびやあかぎれの予防をしましょう。血行を良くし肌の新陳代謝を促進するビタミンEや皮膚を丈夫にし炎症を抑えるビタミンA、皮膚の代謝を高めるビタミンB1などが有効です。このような栄養素を含む食品を多くとり、不足しているようならサプリメントで補うのもひびやあかぎれの予防になります。

2010/01/08

ビタミンとミネラル

シニアの健康維持に欠かせないのがビタミンとミネラルですね。ビタミンもミネラルも体の中では作れないため、食事から摂る必要があります。
ビタミンとミネラルは、三大栄養素と言われるタンパク質や脂質、糖質と違って、必要量はわずかで済みますが、不足すると体調を崩す他、色々な欠乏症が現れます。何となく体調がすぐれない、眠りが浅い、疲れやすいといった症状が続く場合はビタミンやミネラルが不足している場合があります。

ビタミンCが不足すると肌が荒れたり、風邪を引きやすくなったり、ビタミンAが不足すると視力に影響を及ぼします。ビタミンEが不足すると全身の血行が悪くなり、老化を早め、冷え性になったり疲れやすくなります。また重要なミネラルであるカルシウムが不足すると骨そしょう症を引き起こしたり、鉄が不足すると貧血を起こしたりします。

このような事を防ぐためにも、毎日の食事に緑黄色野菜や淡色野菜、小魚や海藻類、大豆製品などをしっかり摂りましょう。必要なビタミンは13種類、ミネラルは16種類あります。これらをまんべんなく摂るには、食材も色々なものを摂るのが効果的です。「1日に30種類の食材を食べましょう」と良く言われますが、主食や副食合わせて少なくとも20種類の食材は摂りたいところですね。
それでも不足する場合は、サプリメント(栄養補助食品)を利用するのもひとつの方法です。色々な種類のビタミンやミネラルを摂取できる「マルチビタミン」や「マルチミネラル」を摂取すると相乗効果が期待できます。

しかし、「何事も過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉にもあるように、過剰摂取には十分に注意しましょう。栄養があるからとサプリメントを多めに摂っても、それだけ効き目が良くなるというわけではなく、場合によっては副作用(過剰症)があらわれ、健康を害してしまう事もあります。
特に体調のすぐれない方や、何らかの薬を常用しているシニアの方は、サプリメントを摂る場合、必ず主治医か薬剤師に相談してから摂取するようにしてください。

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