「アディポネクチン」という超善玉ホルモンが話題になっています。「アディポネクチン」は1996年に大阪大学の松澤教授のグループによって発見されたものですが、何と脂肪細胞から血液の中に分泌され、メタボリックシンドロームとかかわりのあるさまざまな生活習慣病を予防する働きがあることがわかりました。
「アディポネクチン」は、血管が傷ついているところがあるとすばやく入り込んで、その部分を修復します。その結果、血管を拡げて血流を良くしますので、血圧が下がり安定して来ます。また、動脈硬化を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞を予防したり、改善したりする働きがあります。他にも血糖値を下げて糖尿病を予防したり、コレステロール値を正常に維持したり、がんの発症を防ぐ働きまであるそうです。
このように色々な病気を予防したり、改善してくれるので「超善玉ホルモン」と呼ばれています。また、このホルモンが身体の中にたくさんあれば、老化防止にもなり、長生きできるというわけで「アディポネクチン」は「長寿ホルモン」とも言われています。
ところで、この「アディポネクチン」は脂肪細胞がたくさんあればたくさん分泌されるのでは?と思われますが、実際はそうではありません。太って内臓脂肪細胞が大きくなってしまうと、分泌量が減少してしまうのです。逆に痩せすぎて内臓脂肪細胞が小さくなっても、減少してしまいます。
このすばらしいホルモンである「アディポネクチン」の分泌量を増やすには、標準体重を維持することと、毎日軽い運動を続けることが大切です。
また、最近は「アディポネクチン」のサプリメントなども販売されています。
2010/09/28
2010/09/24
激しいスポーツは活性酸素を増やす
秋は体を鍛えるのに、絶好の季節です。しかし、激しいスポーツは体内の活性酸素を増やす危険があることを心に留めておいてください。
活性酸素は、すでに広く知られているように、生活習慣病やガン発生の引き金になったり、老化を早める原因になります。活性酸素は、体内にウィルスや細菌が侵入したときにこれを攻撃して死滅させるという重要な役目も担っていますが、過剰に発生すると臓器や血管を傷つけ、体に害をもたらすからです。
この活性酸素は、喫煙や車の排ガスなどの有害物質、食品添加物、ストレスなどが原因で過剰に発生しますが、激しい運動をするときも多量に発生します。一般に呼吸をして体内に取り込んだ酸素の2%前後は活性酸素になりますが、激しい運動をすると呼吸も激しくなり、通常よりも大量の酸素を体内に取り込むことになります。また体温も上昇し、それが活性酸素の発生に拍車をかけます。
人間の体内には、活性酸素を無害な物質に変える抗酸化物質(スカベンジャー)が何種類か存在していますが、このスカベンジャーは20歳をピークに徐々に減少して行きます。若い人が運動をして活性酸素が発生したとしても、このスカベンジャーのおかげであまりダメージを受けることはありません。しかし、スカベンジャーが減少してしまったシニア世代は、過剰に発生した活性酸素をなかなか無害化することができません。
夏に運動できなかったから・・・と秋になって急に激しいスポーツなどを始めると、自らの命を縮める結果にもなってしまいます。
ただし、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動は逆に体内の活性酸素を減らします。空気が澄んですがすがしい秋には、激しいスポーツを避け、ゆったりとした無理のない有酸素運動を続けてみましょう。
活性酸素は、すでに広く知られているように、生活習慣病やガン発生の引き金になったり、老化を早める原因になります。活性酸素は、体内にウィルスや細菌が侵入したときにこれを攻撃して死滅させるという重要な役目も担っていますが、過剰に発生すると臓器や血管を傷つけ、体に害をもたらすからです。
この活性酸素は、喫煙や車の排ガスなどの有害物質、食品添加物、ストレスなどが原因で過剰に発生しますが、激しい運動をするときも多量に発生します。一般に呼吸をして体内に取り込んだ酸素の2%前後は活性酸素になりますが、激しい運動をすると呼吸も激しくなり、通常よりも大量の酸素を体内に取り込むことになります。また体温も上昇し、それが活性酸素の発生に拍車をかけます。
人間の体内には、活性酸素を無害な物質に変える抗酸化物質(スカベンジャー)が何種類か存在していますが、このスカベンジャーは20歳をピークに徐々に減少して行きます。若い人が運動をして活性酸素が発生したとしても、このスカベンジャーのおかげであまりダメージを受けることはありません。しかし、スカベンジャーが減少してしまったシニア世代は、過剰に発生した活性酸素をなかなか無害化することができません。
夏に運動できなかったから・・・と秋になって急に激しいスポーツなどを始めると、自らの命を縮める結果にもなってしまいます。
ただし、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動は逆に体内の活性酸素を減らします。空気が澄んですがすがしい秋には、激しいスポーツを避け、ゆったりとした無理のない有酸素運動を続けてみましょう。
2010/09/18
認知症と睡眠の関係
認知症と睡眠は互いに密接な関係があることが最近の研究でわかって来ました。
睡眠が浅くぐっすり眠れないとか、夜中に何度も目覚めてしまう、いつも寝不足状態というシニアの方は注意してください。睡眠の状態が悪いと認知症になる確率が高くなるからです。
高齢になると誰しも中途覚醒や早朝覚醒が多くなるのが普通ですが、アルツハイマー型認知症になると、生体リズムの中枢である体内時計が壊れ、睡眠と覚醒のリズムがおかしくなって来ます。初期には、昼間はウトウトして夜になると頭が冴えて眠れなくなるという症状が起きます。それがだんだん進行すると、昼と夜の区別ができなくなり、昼間は眠っていて夜になると騒ぎ出すという昼夜逆転現象が起きたり、昼でも夜でも寝たり起きたりを繰り返すようになります。さらに進行すると今日が何月何日かということもわからなくなります。
このような認知症による睡眠障害は本人ばかりではなく、介護者にとっても大きな負担となります。
夜、十分な睡眠がとれないと昼寝をするケースが多くなりますが、習慣的に1時間以上の昼寝をしていた人は、そうでない人に比べて認知症になる確率が2倍になり、毎日30分以内の昼寝をしていた人は、認知症になる確率を5分の1に減らすことができるという統計もあります。
生活習慣を見直して毎日の睡眠時間をきちんととり、昼寝は30分以内にするということに留意すれば、認知症になる確率を減らすことができます。
関連リンク 認知症とはどのような病気か
睡眠が浅くぐっすり眠れないとか、夜中に何度も目覚めてしまう、いつも寝不足状態というシニアの方は注意してください。睡眠の状態が悪いと認知症になる確率が高くなるからです。
高齢になると誰しも中途覚醒や早朝覚醒が多くなるのが普通ですが、アルツハイマー型認知症になると、生体リズムの中枢である体内時計が壊れ、睡眠と覚醒のリズムがおかしくなって来ます。初期には、昼間はウトウトして夜になると頭が冴えて眠れなくなるという症状が起きます。それがだんだん進行すると、昼と夜の区別ができなくなり、昼間は眠っていて夜になると騒ぎ出すという昼夜逆転現象が起きたり、昼でも夜でも寝たり起きたりを繰り返すようになります。さらに進行すると今日が何月何日かということもわからなくなります。
このような認知症による睡眠障害は本人ばかりではなく、介護者にとっても大きな負担となります。
夜、十分な睡眠がとれないと昼寝をするケースが多くなりますが、習慣的に1時間以上の昼寝をしていた人は、そうでない人に比べて認知症になる確率が2倍になり、毎日30分以内の昼寝をしていた人は、認知症になる確率を5分の1に減らすことができるという統計もあります。
生活習慣を見直して毎日の睡眠時間をきちんととり、昼寝は30分以内にするということに留意すれば、認知症になる確率を減らすことができます。
関連リンク 認知症とはどのような病気か
2010/09/04
抗生物質の効かない多剤耐性菌とは?
世界中で、抗生物質の効かない多剤耐性菌の感染による死亡例が確認され、大きな問題となっています。
私たちは、怪我をしたり何らかの病気にかかると、菌やウィルスから身を守るため、抗生物質のお世話になる場合が多くありますが、菌やウィルスも生き延びるため日々進化をとげています。抗生物質を何度も使っているうちに、抗生物質が効かない遺伝子を獲得したものが現れて来ます。そのような菌やウィルスを耐性菌と呼んでいますが、2つ以上の薬に耐性を持つものを多剤耐性菌と呼んでいます。
「多剤耐性菌」に変異した菌に感染すると、抗生物質は殆ど効かないため、菌は感染者の体の中で猛烈な勢いで増殖します。
日本国内で確認されている多剤耐性菌には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バイコマイシン耐性腸球菌(VRE)、O157、結核などがありますが、最近はアシネトバクター(MRAB)というものが問題になっています。アシネトバクター菌は2008年10月から2009年1月に福岡大病院で患者23人が感染し、4人が死亡しています。2010には船橋市立医療センター、愛知医科大病院でも感染者が出ています。また、帝京大病院では2009年8月~2010年9月1日に患者46人が感染し、この中でもとの病気の悪化を含め27人が死亡していますが、9人の死因になった可能性があるとしています。
多剤耐性アシネトバクター菌は、健康な人が感染しても免疫力で防御できるため、何の問題も起こりませんが、高齢者や入院中で体の抵抗力が落ちている方、治療薬として免疫抑制剤を服用している方は注意が必要です。特に抗生物質を多用する病院内では、院内感染を起こしやすく、感染した患者は、敗血症や肺炎、MRSA腸炎などの重い病気を引き起こし、生命に危険が及ぶこともあるからです。
私たちは、怪我をしたり何らかの病気にかかると、菌やウィルスから身を守るため、抗生物質のお世話になる場合が多くありますが、菌やウィルスも生き延びるため日々進化をとげています。抗生物質を何度も使っているうちに、抗生物質が効かない遺伝子を獲得したものが現れて来ます。そのような菌やウィルスを耐性菌と呼んでいますが、2つ以上の薬に耐性を持つものを多剤耐性菌と呼んでいます。
「多剤耐性菌」に変異した菌に感染すると、抗生物質は殆ど効かないため、菌は感染者の体の中で猛烈な勢いで増殖します。
日本国内で確認されている多剤耐性菌には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バイコマイシン耐性腸球菌(VRE)、O157、結核などがありますが、最近はアシネトバクター(MRAB)というものが問題になっています。アシネトバクター菌は2008年10月から2009年1月に福岡大病院で患者23人が感染し、4人が死亡しています。2010には船橋市立医療センター、愛知医科大病院でも感染者が出ています。また、帝京大病院では2009年8月~2010年9月1日に患者46人が感染し、この中でもとの病気の悪化を含め27人が死亡していますが、9人の死因になった可能性があるとしています。
多剤耐性アシネトバクター菌は、健康な人が感染しても免疫力で防御できるため、何の問題も起こりませんが、高齢者や入院中で体の抵抗力が落ちている方、治療薬として免疫抑制剤を服用している方は注意が必要です。特に抗生物質を多用する病院内では、院内感染を起こしやすく、感染した患者は、敗血症や肺炎、MRSA腸炎などの重い病気を引き起こし、生命に危険が及ぶこともあるからです。
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