非ステロイド性の消炎鎮痛薬のひとつであるアスピリンには、ガン予防効果があるとの研究結果が数年前から英国や米国で発表されています。
アスピリンは、ヤナギの木に含まれる天然の消炎鎮痛成分「サリチル酸」をアセチル化して作られたもので、世界で初めて人工合成された医薬品と言われています。アスピリンはバッファリンなどの成分となっていますが、「ピリン系」と間違えられやすいため、市販の鎮痛薬には「アセチルサリチル酸」と表示されています。
私達の体の中には炎症や痛みが発生すると、「プロスタグランジン」という物質が作られて痛みを知らせてくれますが、アスピリンはこの「プロスタグランジン」が作られるのを抑制する働きがあります。あえて痛みを感じさせないようにして痛みを抑えるわけです。
アスピリンには、血栓形成を抑える作用もあるため、医療現場では心臓病や脳卒中の予防薬としても使われていますが、継続して服用した結果、ガンの発生率も低下したという研究結果が過去にも何度か発表されています。しかし、だからと言って個人が市販のアスピリンをガン予防のために飲むというのも危険が伴います。
アスピリンには、血栓による脳疾患や心臓疾患を予防する効果がある反面、出血を助長するという副作用があるからです。アスピリンの大量服用や長期服用は脳出血や肺出血のリスクを高めたり、胃潰瘍を悪化させることもあります。
有効なガン予防薬の出現は、人類にとってとても喜ばしいことですが、アスピリンに関してはどのような経過をたどってガンを予防するのかはっきりと解明されていません。
その効果や安全性についてもあと少し研究が必要なようです。
2012/09/20
2012/09/04
朝食を抜くと血糖値があがる?
自覚症状がほとんどないまま進行する糖尿病は、重症化すると重大な合併症を引き起こします。糖尿病網膜症による失明や、脳梗塞、心筋梗塞、そして腎不全による人工透析を余儀なくされることもあります。
現在の日本における糖尿病患者は、予備軍を含めると2000万人以上もいるとの統計もありますが、その中の大半は過食や運動不足が原因の「2型糖尿病」と言われます。
過食が原因なら、朝食を抜いて1日2食にすれば、糖尿病の予防になるのではと思われがちですが、実際には朝食を抜くと血糖値はあがってしまいます。
血糖値は、血液中に含まれる糖分の量ですが、インシュリンというホルモンによって一定になるようにコントロールされています。食事をすると体内の糖分が増えますが、すぐにインシュリンが分泌され、いつもの血糖値に戻されます。
朝食を抜くと血糖値もあがらないため、インシュリンは分泌されませんが、昼食後の血糖値は朝食を食べた人よりも上昇します。朝食後のインシュリン分泌がなかったため、昼食後は過剰に分泌される傾向があるためです。
インスリンの分泌能力は年とともに下がりますが、過剰分泌が続くとさらに分泌量が減少してしまい、糖尿病の発症リスクが高くなります。
体重を減らす目的で朝食を抜く人もいますが、過剰に分泌されたインシュリンは、脂肪細胞に糖分を取り込む作用もあるため、逆に太ってしまうという現象も起こります。
糖尿病を予防するためには、やはり3食をきちんと食べ、適度な運動をすることが大切と言えます。
現在の日本における糖尿病患者は、予備軍を含めると2000万人以上もいるとの統計もありますが、その中の大半は過食や運動不足が原因の「2型糖尿病」と言われます。
過食が原因なら、朝食を抜いて1日2食にすれば、糖尿病の予防になるのではと思われがちですが、実際には朝食を抜くと血糖値はあがってしまいます。
血糖値は、血液中に含まれる糖分の量ですが、インシュリンというホルモンによって一定になるようにコントロールされています。食事をすると体内の糖分が増えますが、すぐにインシュリンが分泌され、いつもの血糖値に戻されます。
朝食を抜くと血糖値もあがらないため、インシュリンは分泌されませんが、昼食後の血糖値は朝食を食べた人よりも上昇します。朝食後のインシュリン分泌がなかったため、昼食後は過剰に分泌される傾向があるためです。
インスリンの分泌能力は年とともに下がりますが、過剰分泌が続くとさらに分泌量が減少してしまい、糖尿病の発症リスクが高くなります。
体重を減らす目的で朝食を抜く人もいますが、過剰に分泌されたインシュリンは、脂肪細胞に糖分を取り込む作用もあるため、逆に太ってしまうという現象も起こります。
糖尿病を予防するためには、やはり3食をきちんと食べ、適度な運動をすることが大切と言えます。
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