2014/12/26

ヒートショックを防ごう

寒い季節に問題になるのがヒートショックです。「ヒートショック」とは、急激な温度の変化によって血圧が大きく変動し、深刻な健康被害を及ぼすことです。
家庭でのヒートショックは入浴の際に起こることが一番多く、特に高齢者の場合は要注意です。暖房のない脱衣室で服を脱ぐと、寒さから体を守るため皮膚表面の血管が縮まり、熱を逃がさないようにすると同時に血圧が急上昇します。次に、湯船に入って暖かい湯につかると、今度は血管が拡張して血圧が急激に下がります。
この急激な血圧の変化に自律神経が追いつかず、意識障害を起こして溺死することがあります。また、心筋梗塞や脳卒中を起こすこともあります。

このようなヒートショックによる事故を防ぐには、脱衣室と浴室の温度差をできる限りなくすことが先決です。脱衣室の温度が低い場合は、小型の暖房などを置いて、服を脱いだときに寒さを感じないくらいの温度にしておきましょう。
また、湯船の湯の温度はあまり高めにせず、41度以下くらいにしておきましょう。もともと日本人は熱い湯に首までつかって、長時間入浴する傾向がありますが、その結果、脱水症状を起こすこともあります。発汗により、血液中の水分が失われるため、さらに心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性が高くなります。
1日の疲れをとる入浴ですが、寒い季節はヒートショックの危険性があることを、念頭に入れておきましょう。



2014/11/05

まぶたが下がって見えにくい眼瞼下垂とは?

多くの場合、高齢になるにつれて両目のまぶたが下がり、見た目にも穏やかな表情になります。ところが、まぶたが下がり過ぎると、視界が狭くなり日常生活に支障をきたすようになります。仕事をするにも不便を感じるようになり、車の運転も危険を伴います。

このような症状を「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と言っていますが、先天性のものと後天性のものとがあります。先天性下垂は、生まれつきまぶたを上げる筋肉の働きが弱いために起こりますが、シニア世代に多い眼瞼下垂は殆どが後天性のもので、加齢による筋力の低下が原因となっています。まぶたを持ち上げる力が弱くなるためで、黒目の上にまぶたがかぶさるような感じになります。
その結果、視界が狭くなりますが、そうすると顎を上げて物を見る癖がついてしまい、肩こりや首こり、眼精疲労、頭痛などを引き起こしやすくなります。

この眼瞼下垂(がんけんかすい)は、デスクワークなどで長時間目を酷使する仕事をしている人や、長時間ハードコンタクトレンズを使用している人に起こりやすいと言われています。また、白内障の手術後や脳梗塞の後に起こることもあるので要注意です。

主な治療法としては、手術があります。目の上の弛んでいる筋肉を縫い縮めたり、余分な皮膚を切除して引っ張り上げ、目立たない場所で縫合するなどの方法があります。局部麻酔による日帰り手術が可能なので、「まぶたが垂れ下がって見えにくい」という症状のあるシニアの方は、眼科を受診の上、相談してみましょう。
手術後は、視界が広がり肩こりや首こりがなくなったり、表情が若々しくなったという方が多いようです。



2014/10/12

自律神経失調症になる前に

朝夕の寒暖差が激しかったり、台風が来たりすると、自律神経も乱れがちになります。自律神経が乱れると、原因不明の腹痛や頭痛に襲われたり、ふとしたことでめまいを感じたり、熟睡できなかったりといった症状が現れますが、このような体調の変化ばかりではなく、精神的な変化も現れます。
特に何をしたわけでもないのに、疲労感や倦怠感があったり、気分が落ち込んで無気力になったり、集中力や記憶力が低下したり・・・。まるで、更年期のような症状に悩まされます。

自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経は身体が活動しているときに優位になり、副交感神経は身体が休んでいるときに優位になります。このふたつの神経のバランスがうまく取れていれば問題ありませんが、何らかの影響でバランスが崩れてくると、不定愁訴とも言えるような症状が現れます。
このような症状が悪化したものが「自律神経失調症」ですが、これを防ぐには普段から自律神経を安定させ、鍛えておくことが大切です。

自律神経を鍛えるには、まず朝日が昇ったら起きて日の光をたっぷり浴びることです。朝日を浴びながらウォーキングやジョギングなどの軽い運動をすると、自律神経にも良い影響を与えます。日が沈んだら心身ともにゆったりするようにすると、活動と休息のリズムが整い、不定愁訴のようなさまざまな症状が改善して来ます。
食事は、朝昼晩の3食をしっかり食べ、入浴はぬるめのお湯にゆっくりとつかるようにします。心身をリラックスさせる時間を持つことが、自律神経失調症を防ぐことになります。
また、積極的に自律神経を鍛える方法として、「自律訓練法」というものもあります。ドイツの精神科医J・H・シュルツが体系化した心理療法ですが、この訓練法の詳しいやり方については何冊か書籍も出ているので、興味のある方は読んでみてください。


2014/09/21

スズメバチとアナフィラキシーショック

スズメバチによる被害が報道される季節になりました。スズメバチは毎年9月~11月の間に繁殖期を迎え、活動が活発になるため、この時期に被害が多発します。
スズメバチは、山林や公園の草むら、民家の軒下や納屋などに巣を作りますが、気づかずに巣に近づいてしまい、刺されるというケースが多くなっています。
スズメバチに刺されたら、ともかく刺された箇所を指でつまんで毒を絞りだすようにしてください。その後、患部を水で洗い流してください。ハチの毒は水溶性なので、少しでも体内に入る毒を減らすことができます。

スズメバチの集団に襲われ何箇所も刺された場合や、全身のじんましん、めまい、吐き気、嘔吐、血圧低下、呼吸困難などの症状が現れた場合は、一刻も早く病院を受診し、医師の手当てを受けてください。
このような症状は、「アナフィラキシーショック(アレルギー性ショック症状)」の可能性があり、手当てが遅れると命にかかわります。
過去にスズメバチに刺されたことがある場合、体内にハチ毒による抗体が作られますが、2度目に刺された時にこの抗体が過敏に反応し、アレルギー性のショック症状を起こします。これがアナフィラキシーショックと言われるもので、毎年何件かの死亡事故を引き起こしています。
アナフィラキシーショックはスズメバチに一箇所刺されただけでも起こることがあり、数分~30分以内にアレルギー性の症状が現れるので、いざという時のために覚えておきましょう。


2014/09/06

ウォーキングを楽しもう

やっと猛暑が一段落し、涼しい風が感じられるようになりました。
スポーツ関連のイベントが各地で行われる秋は、体力作りにも最適な季節です。シニアにおすすめの体力作りと言えば、まっ先に挙げられるのが「ウォーキング」です。

健康にも美容にも良いウォーキングは代表的な有酸素運動ですが、体にあまり負担がかからず、誰でもすぐにでも始めることができます。しかし、始めるのは簡単でも続けるのが難しいのもウォーキングです。
毎日の習慣にしてしまえば良いのですが、逆に義務感がストレスになって三日坊主になってしまう人もいます。ウォーキングを長く続けるには、歩くことによる楽しみや目標を見つけるとうまく行きます。

早朝のきれいな空気を吸うこと、季節の花を見たり、鳥の声を聴くことなどはウォーキングの楽しみのひとつです。スマートフォンを持参して、花や風景の写真を撮るのもおすすめです。帽子やタオル、ウェア、ウォーキングシューズなどを新調してさっそうと歩くのも楽しいものです。
また、汗を流した後に着替えて、冷たい飲み物を飲む時の爽快感もウォーキングの魅力のひとつです。
万歩計を持って1日に歩く目標を決めておいてそれを記録したり、ダイエットが目的のシニアの方は、体重減少が実感できると楽しさも倍増します。

また、ひとりで歩くのが苦手というシニアの方は、家族と一緒に歩いたり、近所のウォーキング仲間を見つけて一緒に歩きましょう。犬を飼って散歩を兼ねながら歩くというのもおすすめです。


2014/08/24

金属床総義歯の負担軽減制度

60代、70代になっても、できる限り自分の歯で食事をしたいというのは多くのシニアの願いですが、やむを得ず義歯になることもあります。
現在は色々な素材による義歯が開発されていますが、一般に保険内でできるものはアクリル樹脂のレジンで作られます。レジンによる総義歯は、どうしても硬く床の部分も厚みが出てしまうため、慣れるまである程度の時間がかかります。

保険外の自由診療による総義歯には、床の部分にコバルトクロムやチタンなどの金属を用いた金属床義歯があります。金属床義歯は、床の部分が薄くなり、食物を口の中に入れたときに温度を感じやすいというメリットがあります。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく感じるため、レジンに比べてより快適に使用することができます。また、強度があるため、誤って落としてしまったとしても殆ど割れることはありません。

この金属床の総義歯は、保険がきかないため15万から25万と高額になり全額自己負担が原則ですが、自由診療の一部を保険で給付する「特定療養費制度」というものがあります。この制度は、「時代に即応した上質の治療の提供と、患者さんの負担を軽減する」といった目的で平成6年6月より実施されたもので、歯科医院や治療日数により異なりますが、約45000円ほど軽減されます。
あまり周知されていないので、このような制度があることさえ知らない方が多いのが実情ですが、いずれ金属床義歯を作りたいという希望を持っているシニアの方は、ぜひ歯科医院で相談してみてください。


2014/08/20

寝苦しい夜の睡眠不足

暑さで寝苦しい夜が続いていますが、この時期は睡眠不足に悩む人も多くなっています。3時間しか眠れなかったとか、夜中に何度も目が覚めてしまうというシニアの方は、睡眠不足に陥っている可能性があります。

一般に気温が高く日照時間が長い夏は、冬に比べて睡眠時間が短くなる傾向がありますが、睡眠時間は長ければ良いというものでもなさそうです。
人間の寿命と睡眠時間は、密接な関係があることが昔から知られています。理想的な睡眠時間は、7時間から7.5時間と言われますが、これ以上長くても短くても長生きできないそうです。もちろん、個人差があるので厳密には言えませんが、成人の場合は健康のためにも、7時間の睡眠時間はキープしたいところです。

そのためには、室温や灯り、寝具など、安眠できる環境を整えることが必要ですが、熱帯夜の続く今の季節は、水分の補給も重要です。大量に汗をかき、のどが渇いて目が覚めてしまうということが良く起こりますが、ここで起き上がって冷蔵庫のところまで歩いて行き、冷たいものを飲むとなると目が冴えてしまって眠れなくなります。
このようなことを防ぐには、枕元に飲み物を用意しておき、のどが渇いたと気づいたら、いつでも飲めるようにしておくことです。
麦茶やスポーツドリンクを氷と一緒に水筒(マイボトル)などに入れておき、枕元に置いておくのもおすすめです。それでも、どうしても目が覚めてしまう、なかなか眠れないという場合は、無理に眠ろうとせずに音楽を聴いたり本を読んだりして、自然に眠くなるのも待ちます。そのまま夜が明けてしまったということもあるかもしれませんが、その場合は昼寝などをして心身の疲れを取るようにしましょう。


2014/08/08

スイカのアンチエイジング効果

夏の果物の王様と言われるスイカは、昔からさまざまな健康効果があることが知られてきました。利尿作用によるむくみの改善のほか、血圧低下作用、解熱作用、心臓病や尿道結石の改善などがありますが、優れたアンチエイジング効果も見逃せません。

スイカの果肉の赤い部分に含まれる「リコピン」の抗酸化作用は、ベータカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上とも言われ、強力に細胞の老化やガン化を防ぎます。
また、アミノ酸の一種である「シトルリン」も豊富に含まれていますが、このシトルリンには、血行を良くして新陳代謝を活発にする働きや、冷え性改善、疲労軽減、筋肉増強、細胞の老化抑制などの働きがあることが知られています。

さらに、紫外線で痛んだ肌の細胞を蘇えらせ、シミ・シワ・ソバカスを予防する「システイン」のほか、シミの元になるメラニン色素の形成を押さえ、美肌を保つビタミンCも多く含まれています。
暑い夏の日にのどをうるおしてくれるスイカは、90%以上が水分ですが、糖分やカリウム・カルシウム・マグネシウム等のミネラルも含まれているため、塩を少し振りかけて食べるだけで熱中症予防にもなります。

また、スイカを食べた後の皮についている果肉の部分を、そのまま顔や手のこすりつけると、スイカの有効成分が肌に直接浸透し、ローションをつけたような美肌効果が得られます。



2014/07/17

薬が原因の薬剤性光線過敏症とは?

強い紫外線が降りそそぐ季節になって来ました。
シニアにとって紫外線は、顔のシミやしわの原因になるばかりではなく、時には日光アレルギー(紫外線アレルギー)の原因になることもあるので、注意する必要があります。

顔や首、耳の後ろ、腕など、日光に当たる部分の皮膚が赤く腫れたり、ぶつぶつとした発疹ができたり、かゆみを伴う皮膚炎の症状が出ることがありますが、これを日光アレルギー、紫外線アレルギー、または「光線過敏症」とも言っています。
日光に当たることによって、免疫が過剰に反応するために起こる症状ですが、他のアレルギーと同じように今まで何ともなかった人が突然発症するということもあります。

特にシニアの方で注意したいのは、何らかの持病を持っていて薬を飲んでいる場合です。
「薬剤性光線過敏症」と呼ばれていますが、ある種の薬を飲んだ後で日光に当たった場合、皮膚炎の症状が現れることがあるからです。数分で皮膚が赤くなって湿疹が現れることもあれば、数時間後に現れることもあります。
この皮膚炎を起こす原因となる薬には、解熱消炎鎮痛薬や化膿止め、血圧降下薬、利尿剤、糖尿病治療薬、精神神経用薬などがあります。

日光が当たる部分に湿疹やかゆみなどの皮膚炎の症状が出た場合は、早めに皮膚科を受診して治療を受けるようにしましょう。アレルギーの原因となる薬が特定できれば、その薬を避けることにより回復を早め、再発を防ぐことができます。
また、皮膚炎が悪化してしまった場合でも、皮膚科にてステロイド剤の塗り薬や、痒み止めの飲み薬を処方してもらい、効果的に使用することにより、早めに改善することができます。


2014/07/08

機能性ディスペプシア(FD)が診療対象に

食後の胃もたれやみぞおちの痛み、胃のむかつき、吐き気などがあるにもかかわらず、内視鏡(胃カメラ)で検査をしても異常が見つからない場合、このような症状について、2013年5月に「機能性ディスペプシア(functional- dyspepsia)」という保険病名がつけられました。
略して「FD」と呼ばれますが、ディスペプシアとは消化不良という意味です。そして2014年4月に、「日本消化器病学会機能性消化管疾患診療ガイドライン」というものができ、診療対象になりました。

「機能性ディスペプシア」の原因としては、胃の運動機能異常や、粘膜の炎症、内臓の知覚過敏、胃酸分泌、ピロリ菌の感染、心理的要因などが挙げられます。
つらいと感じる胃の症状が3ヶ月間続いている場合、「機能性ディスペプシア」の診断基準に当てはまりますが、厳密に3カ月間でなくても胃の症状を軽快・消失させる治療が行われます。
治療には、胃の運動を調整する薬や漢方薬、胃酸を分泌を抑制する薬、ストレスを和らげる薬などが使われます。

「機能性ディスペプシア」は、命にかかわる病気ではありませんが、慢性化すると日常生活にも影響を及ぼします。好きな趣味に没頭したり、スポーツを楽しみたい、旅行を楽しみたいというシニアの方にとっては胃の健康はとても大切です。
食事内容や睡眠不足などに留意することにより、軽い胃の不調なら改善できますが、数ヶ月にも渡って胃の調子が悪い場合は、「機能性ディスペプシア」の可能性もあるので、思い切って病院を受診することをおすすめします。



2014/06/15

ふくらはぎ健康法とは?

「ふくらはぎ健康法」というものが話題になっています。
一日3~5分、ふくらはぎを揉むだけで全身の血流が良くなり、体が温まってさまざまな病気の予防や回復に役立つというものです。
人間は、活動している昼間は血液の70%が下半身に集中しているそうですが、その血液を心臓に戻すために補助的な役割を担っているのがふくらはぎというわけです。確かに心臓だけの力で全身の血液を循環させようとしたら、心臓にはかなりの力が必要になります。上半身の血液は重力の助けもあって心臓に戻りやすくなっていますが、70%もある下半身の血液は、ふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことによって静脈に圧力をかけ、血液を戻りやすくしているのです。
ふくらはぎは、このように静脈血を心臓に戻すポンプのような働きをしているため、「第二の心臓」とも呼ばれています。
ところが、筋肉が衰え硬くなってしまったふくらはぎでは、ポンプの役目を十分に果たすことができません。その分、心臓ががんばらなけらばならず、結果として血圧が上昇します。
また、全身への血行も悪くなるため、さまざまな病気にかかりやすくなり、老化も促進されてしまいます。

毎日、ふくらはぎを揉むことにより、固まっていた筋肉がほぐされ、脚の血流が良くなってきます。心臓の負担を減らすこともできるので、血圧が安定してきます。また、全身に酸素と栄養が行き渡るようになるため、冷え性の改善、頭痛・肩こり改善、免疫力のアップ、アンチエイジング効果なども期待できます。

揉み方は、血液を心臓に戻すような気持ちでアキレス腱からひざ裏に向かって、ゆっくりとさすることから始めます。だんだん慣れてきたら、指に少しずつ力を入れてマッサージをして行きます。
ふくらはぎのマッサージは、特に入浴後に行うと効果的です。



2014/06/08

梅雨時の冷えに注意しよう

今年は、6月とは思えないような暑い日が数日続きましたが、梅雨入りと同時に気温も下がり気味になりました。このような急激な温度変化は、シニアにとっては要注意です。
特に関節炎やリウマチ、神経痛などの持病を持っている方は、痛みが悪化しやすくなるからです。梅雨時の湿気や低気圧の影響で、血流が悪くなり、汗の蒸発もうまく行かないので体に余分な水分が溜まりやすくなります。さらに体が冷えると脳や神経が痛みに敏感になり、いつもより痛みを強く感じやすくなります。。

また、梅雨前線の影響で低気圧が停滞すると、大気中の空気が低気圧に吸い寄せられてしまうため、酸素濃度が低くなります。いつも通りに呼吸をしていても、大気中の酸素濃度に合わせて血液中の酸素濃度も低くなり、血管が拡張します。その結果、肩が凝ったり、首が凝ったり、時には頭痛を引き起こします。
さらに、梅雨時のなんとも言えない憂鬱感や、イライラが神経痛や関節痛の痛みを助長させ、頭痛や肩こりも頻繁に起こりやすくなります。
このような事を防ぐためには、何よりも冷えを予防することが大切です。体を温めることによって、全身の血流が良くなり、筋肉や神経もリラックスするため、痛みを軽減することができるからです。暖かい飲み物を飲んだり、ゆったりと入浴をするのも効果的です。また、この時期は夜間の冷えにも十分に注意しましょう。


2014/05/06

白髪になる人とハゲになる人

多くのシニアにとって、髪の毛の悩みはとても深刻です。
年を経るにつれて、白髪が増えたり、抜け毛が増えてハゲになったり・・・。
ところで、人は皆、高齢になると白髪かハゲのどちらかになり、「白髪になる人はハゲにならない」「ハゲになる人は白髪にならない」と言われることがありますが、本当でしょうか?
それが本当なら、白髪の人はハゲの心配をしなくても良く、ハゲの人は白髪の心配をしなくても良いとなりますが、現実はそう甘くないようです。

白髪は、髪の毛を黒くするメラニン色素が少なくなって来るために生じます。毛根内にあるメラノサイトという色素細胞の働きが加齢とともに弱ってくるために起こります。
一方、ハゲは、毛根内の毛母細胞の働きが弱くなるために生じます。毛母細胞の分裂活動が弱くなると、髪の毛が生えて抜けるまでのヘアサイクルが乱れ、新しい髪の毛の成長が間に合わなくなってしまうために起こります。
いずれも、細胞の働きが弱くなって来ることが原因なので、白髪とハゲのどちらかが生じるというわけでもありません。単に、白髪が目立つ人と、ハゲが目立つ人がいるだけで、白髪でありながらハゲになる人のほうが多いというのが現実です。

しかし、それはまた白髪を防ぐことができれば、ハゲも防ぐことができるということにもつながります。そのためには、健康な髪の毛の元になる栄養をきちんと摂り、頭皮や全身の血行を良くし、それぞれの細胞が活発に働けるようにすることが大切です。
また、ストレスを溜めずに、良質な睡眠をしっかりとることが白髪とハゲの予防にもなります。


2014/04/15

糖鎖の減少と老化の関係

細胞学の発達とともに注目されているのが、「糖鎖(とうさ)」です。糖鎖とは、ひとつひとつの細胞についている産毛のようなもので、人間のあらゆる病気や老化のメカニズムに大きく関与していることがわかってきました。
成人の体は、約60兆個の細胞によって作られていますが、ひとつの細胞につき約500~10万本の糖鎖が存在すると言われます。

「細胞のアンテナ」とも言われる糖鎖の働きは、それぞれの細胞から細胞へ情報を正しく伝えることです。体のどこかに異常が起こった場合、この糖鎖が感知し、他の細胞へ異常を知らせます。その結果、神経系やホルモン系、免疫系が正しく作動し、病気を防いだり自然治癒力が働き出したりします。
このようなことから、糖鎖が十分に機能すれば生活習慣病や感染症、その他のあらゆる難病を防ぐことができ、また老化も遅らせることができることが、最近の研究でわかって来ました。

ところが、現代人の多くは偏った食生活や食材の劣化、過剰なストレス、大気汚染などの化学物質の影響で、糖鎖の数が必要量の約40%くらいしか足りていません。糖鎖は、8つの糖質栄養素(単糖類)の複雑な組み合わせからできていますが、そのうちのグルコース(ブドウ糖)とガラクトース(乳糖)の2つは食品から摂ることができ、あとの6つは肝臓で作られます。
色々な病気を防ぎ、いつまでも若々しくいるためには、良質な食材によるバランスのとれた食生活により、体内の
糖鎖を増やす必要がありますが、肝臓を疲れさせないことも大切です。
また、最近では、糖鎖を効率的に増やすためのサプリメントなども開発されているようです。



2014/04/03

頭痛薬で頭痛が悪化することがある

はっきりした原因や脳の異常がないにもかかわらず、慢性的な頭痛に悩まされる場合、「頭痛持ち」という言葉を使ったりします。頭痛の約9割の人がこのタイプで、命に別状はないものの症状がつらいため、頭痛が起こるたびに頭痛薬を飲んでいるという人が少なくありません。

しかし、頭痛薬(鎮痛剤)の飲み過ぎで頭痛が悪化してしまうこともあるため、注意が必要です。頭痛薬は、痛みの元となる成分が作られるのを防いだり、痛みの感覚が脳に伝わるのを防ぐことにより、鎮痛剤の役目を果たしています。ところが、繰り返し繰り返し頭痛薬を飲むことにより、頭痛を起こす刺激のレベルが低下し、痛みに対して敏感になります。そこでまた頭痛薬を服用し、さらに頭痛が悪化するという悪循環になります。

このような状態が「薬物乱用頭痛」で、こうなると個人による改善は難しくなります。頭痛薬を飲むたびに頭痛がひどくなる、頭痛が月に15日以上ある、毎日のように頭痛薬を飲んでいるという方は、「薬物乱用頭痛」の可能性もあるので、頭痛外来などを受診し、専門医の指示に従うようにしましょう。
普段から頭痛に悩まされる方は、無理に痛みを我慢する必要はありませんが、「薬物乱用頭痛」の怖さも知っておきましょう。頭痛薬を服用する場合は、適切な用法・用量を守るようにすることが大切です。


2014/03/03

花粉症と風邪を見分けるには?

少しだけ春らしくなって来ましたが、これから本格的に花粉が飛ぶシーズンに入ります。ところが、ちょうど朝夕の気温差が激しく、風邪をひきやすい時期とも重なります。
くしゃみや鼻水が出るけれど、風邪なのか花粉症なのかわからないということになりがちです。しかし、花粉症と風邪の症状は似ているようですが、明らかな違いもあります。

花粉症と風邪を見分けるには、まず熱があるかどうかを確認してみてください。花粉症で鼻づまりなどの症状が重い場合、時に微熱が出ることがありますが、通常は熱があれば風邪と思って間違いありません。
くしゃみは、花粉症の場合も風邪の場合も出ますが、たてつづけに何度も出るのは花粉症です。また、鼻水は透明で流れるようにスーッと出るのは花粉症。ドロドロしていて時に黄色っぽい色がついているのは、そこにウィルスがいるためで、風邪です。
このようなくしゃみや鼻水に加えて目のかゆみがあるのは、花粉症と判断できます。
さらに咳が出たり、頭痛、下痢、悪寒などは風邪特有の症状で、花粉症にはあまり見られません。

花粉症と風邪の見分けがつけば、どのように対処したら良いかもわかってきます。風邪なら、暖かくして体を冷やさないようにし、栄養のあるものを食べて体力をつけることにより、回復を早めることができます。
花粉症は、3月、4月と約2ヶ月ほど続くので、ちょっと長期戦になりますが、マスクで花粉を吸い込まないようにしたり、部屋の中に花粉を取り入れないようにするだけでも、症状を軽くすることができます。ヨーグルトを食べたり、甜茶やべにふうき緑茶、シソジュースなどを飲むのも花粉症対策に役立ちます。



2014/02/20

空気の乾燥と顔のシワ

空気が乾燥している時期は、顔のシワ対策が欠かせません。洗顔の後、鏡で顔の状態を見てみるとわかるように、肌がカサカサしています。皮脂が落とされたところに、空気の乾燥が重なり、肌が乾燥してしまっているからです。
このままの状態で放置しておくと、小ジワができやすくなり、すでにできていたシワは深くなってしまいます。若い頃には、肌の保湿力も弾力もあるため、シワになることもありませんが、加齢とともに乾燥しがちになります。かろうじて皮脂が乾燥から守っていますが、クレンジングや洗浄力の強い洗顔料で皮脂を落としてしまうと、皮膚のバリアーがなくなってしまいます。

乾燥によるシワを防ぐには、まずは皮脂を落としすぎないことが先決です。洗顔は水だけによる「水洗顔」がおすすめですが、どうしても気になる方は、ぬるま湯だけの洗顔、または合成成分が無添加の洗浄力の弱い洗顔料を使用するようにしましょう。
洗顔のあとは、すぐに化粧水や美容液などで水分を補給しておきましょう。皮脂を落としすぎてしまった場合は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が入った美容クリームなどで、肌を乾燥から守るようにしましょう。
空気が乾燥している季節にしっかりと肌をケアすることにより、シワを防ぎ、若々しい肌を保つことができます。



2014/02/10

体温を上げて免疫力を強くする

風邪やインフルエンザ、ノロウィルスなどが猛威をふるっていますが、こんな時こそ免疫力を強化しておく必要があります。免疫力が強ければ、たとえどんな感染症にかかっても軽く済み、回復も早くなるからです。
免疫力を上げるには、栄養バランスのとれた食品を摂ることが大切ですが、体温を上げることにより免疫力を強化することもできます。
現代は、低体温の人や冷え性の人が増えていると言われますが、体温が1度上がると免疫力は5~6倍になり、体温が1度下がると免疫力は30%低下すると言われます。また、がん細胞は体温が35℃前後の低いときに最も増殖し、39℃以上になると死滅するというデータもあります。このようながん細胞の性質を利用し、体温を上げてがんを治療する「温熱療法」というものも、知られるようになって来ました。

普段から意識的に体温を上げることにより、がん予防のほか、さまざまな病気の予防をすることができますが、そのためにはまず平熱を測ってみることが大切です。その上で、30分ほど歩いてみたり簡単な運動をしてみましょう。1度前後、体温が上昇するはずです。
また、熱めのお風呂に10分ほど入るだけでも、体温が1度ほど上がります。乾いた布で肌をこする乾布摩擦などもおすすめです。
温かい甘酒や生姜湯などを飲むのも、体温を上げて免疫力を強くする効果があります。
このように、1日のうちで何度か体温を上げる機会を作っておき、実践することにより、細菌やウィルスを撃退して病気に負けない身体を作ることができます。



2014/01/23

シニアとノロウィルス感染症

ニュースでも報じられているように、ノロウィルス感染症が流行しています。ノロウィルス感染症は、冬から春の寒い時期に発生しやすい食中毒の一種です。
非常に感染力が強いため、集団施設で発生すると、あっという間に広がってしまいます。ノロウィルスに感染すると、1~2日の潜伏期間の後、嘔吐や下痢、頭痛、発熱などの症状が現れます。健康な大人なら、感染しても1~2日で回復し、後遺症が残ることもありません。

しかしシニアの場合、免疫力が低下している時に感染すると、脱水症状を起こしたり時には重症化して危険な状態になることもあります。
ノロウィルスは、インフルエンザウィルスとは異なり飛沫感染することは殆どないので、マスクはあまり役にたちません。それよりも流行時には、石けんと流水による手洗いをしっかりすることが予防になります。ドアノブや手すりなどに触れ、手や指に付着したウィルスから感染することが多いからです。

家族に感染者がいる場合は、特に注意が必要です。嘔吐物や下痢便には、大量のウィルスが含まれているので、処理する場合は必ず手袋をし、タオルや雑巾でしっかりと拭き取った後、ビニール袋に入れて密封して捨てるようにしましょう。
しかし、何よりも大切なのは普段から免疫力を高めておくことです。体力もあり、免疫力もあればたとえノロウィルス感染症にかかったとしても症状が軽く済み、回復も早くなるからです。

2014/01/12

アルコールと肝臓の関係

年末、年始とお酒を飲む機会の多かったシニアの方は、ひょっとしたら肝臓が疲れているかもしれません。お酒を飲むと、体内に入ったアルコールは胃や小腸で吸収された後、肝臓に運ばれて分解されますが、あまりにも大量のお酒を一度に飲んだり、毎日のように飲んだりすると、肝臓での処理が間に合わなくなってしまうからです。

肝臓に運ばれたアルコールは、酵素によってアセトアルデヒドと水素に分解され、さらに酢酸に分解されて中性脂肪などに変えられ、不要な分は炭酸ガスと水になって体外に排出されます。
ビルー大瓶1本、または日本酒1合を肝臓で処理する時間は、個人差はありますが約3時間と言われます。しかし、酵素の働きが弱かったり、肝臓での分解処理が間に合わなかったりすると、アセトアルデヒドの影響で顔が赤くなったり、二日酔いの症状が現れたりします。

頭痛や吐き気などの不快な症状に悩まされる二日酔いですが、このような状態が何日も続けば、肝臓の負担は大変なものになります。飲み過ぎや食べ過ぎで肝臓の処理能力を超えてしまうと、肝臓に中性脂肪が溜まって「脂肪肝」になります。さらに大量にお酒を飲み続けると、「アルコール性肝炎」になったり、最終的には肝細胞が線維状になって硬くなってしまう「肝硬変」になることもあります。
「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、よほど悪化してからでなくては、自覚症状としてあらわれません。初期のアルコール性肝障害なら、食事に気をつけて禁酒するだけで治癒しますが、普段から飲み過ぎに気をつけて肝臓をいたわるようにしたいですね。


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