2014/04/15

糖鎖の減少と老化の関係

細胞学の発達とともに注目されているのが、「糖鎖(とうさ)」です。糖鎖とは、ひとつひとつの細胞についている産毛のようなもので、人間のあらゆる病気や老化のメカニズムに大きく関与していることがわかってきました。
成人の体は、約60兆個の細胞によって作られていますが、ひとつの細胞につき約500~10万本の糖鎖が存在すると言われます。

「細胞のアンテナ」とも言われる糖鎖の働きは、それぞれの細胞から細胞へ情報を正しく伝えることです。体のどこかに異常が起こった場合、この糖鎖が感知し、他の細胞へ異常を知らせます。その結果、神経系やホルモン系、免疫系が正しく作動し、病気を防いだり自然治癒力が働き出したりします。
このようなことから、糖鎖が十分に機能すれば生活習慣病や感染症、その他のあらゆる難病を防ぐことができ、また老化も遅らせることができることが、最近の研究でわかって来ました。

ところが、現代人の多くは偏った食生活や食材の劣化、過剰なストレス、大気汚染などの化学物質の影響で、糖鎖の数が必要量の約40%くらいしか足りていません。糖鎖は、8つの糖質栄養素(単糖類)の複雑な組み合わせからできていますが、そのうちのグルコース(ブドウ糖)とガラクトース(乳糖)の2つは食品から摂ることができ、あとの6つは肝臓で作られます。
色々な病気を防ぎ、いつまでも若々しくいるためには、良質な食材によるバランスのとれた食生活により、体内の
糖鎖を増やす必要がありますが、肝臓を疲れさせないことも大切です。
また、最近では、糖鎖を効率的に増やすためのサプリメントなども開発されているようです。



2014/04/03

頭痛薬で頭痛が悪化することがある

はっきりした原因や脳の異常がないにもかかわらず、慢性的な頭痛に悩まされる場合、「頭痛持ち」という言葉を使ったりします。頭痛の約9割の人がこのタイプで、命に別状はないものの症状がつらいため、頭痛が起こるたびに頭痛薬を飲んでいるという人が少なくありません。

しかし、頭痛薬(鎮痛剤)の飲み過ぎで頭痛が悪化してしまうこともあるため、注意が必要です。頭痛薬は、痛みの元となる成分が作られるのを防いだり、痛みの感覚が脳に伝わるのを防ぐことにより、鎮痛剤の役目を果たしています。ところが、繰り返し繰り返し頭痛薬を飲むことにより、頭痛を起こす刺激のレベルが低下し、痛みに対して敏感になります。そこでまた頭痛薬を服用し、さらに頭痛が悪化するという悪循環になります。

このような状態が「薬物乱用頭痛」で、こうなると個人による改善は難しくなります。頭痛薬を飲むたびに頭痛がひどくなる、頭痛が月に15日以上ある、毎日のように頭痛薬を飲んでいるという方は、「薬物乱用頭痛」の可能性もあるので、頭痛外来などを受診し、専門医の指示に従うようにしましょう。
普段から頭痛に悩まされる方は、無理に痛みを我慢する必要はありませんが、「薬物乱用頭痛」の怖さも知っておきましょう。頭痛薬を服用する場合は、適切な用法・用量を守るようにすることが大切です。


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