2021/04/04

生活習慣病のリスクが高くなる「かくれ肥満」に注意しよう

 新型コロナ感染予防のため、外出を控えているシニアの方も多くなっていますが、体を動かす機会が減少すると、気になるのが体重の増加です。

「最近、何となく体が重い」という方は、体重を測定してみてください。
増えている場合は、意識的に運動をしてカロリーを消費するようにしましょう。

注意しなければならないのは、体重が増えていないにもかかわらず体脂肪が増えている「かくれ肥満」です。

外見上は変化がないため、本人も気づきにくいという特徴がありますが、一般に標準体重でありながら、体脂肪率の値が男性で25%以上、女性で30%以上ある場合を「かくれ肥満」と言っています。

体重が増えても筋肉量が多く脂肪が少なければ、「肥満」とは言えず心配はありませんが、かくれ肥満の場合は体脂肪の蓄積で高血圧症、高脂血症、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、脳梗塞などの生活習慣病のリスクが高くなります。

かくれ肥満であるかどうかを確認するためにも、ときどき「体脂肪計」で体脂肪率を測定してみましょう。
増えてしまった体脂肪は、食生活の見直しや日常生活の中に運動を取り入れて行くことにより、減らして行くことができます。

2020/09/03

定年退職後のうつ状態を避けるには?

 定年退職直後、多くのシニアの方は、「もう、会社に出勤しなくてもいい」といった安堵感と「これから好きなことができる」といった希望で胸がいっぱいになります。

ところが、「やりたい事」がなかなか見つからないと、何もせずにボーッとしたまま1日が終わります。

また、仕事をしていたときの緊張感や充実感、上司や同僚、部下との人間関係が一気になくなったことによる「喪失感」が徐々にわいて来ます。

この状態が何日か続くと「何をやってもつまらない」といった無気力状態に陥ります。

一日中何もしないことから家族からも疎んじられるようになると、漠然とした不安と孤独に襲われ、眠れない日々が続き、食欲もなくなってきます。

これが定年退職後の抑うつ状態で、「定年後うつ」「老人性うつ」「退職症候群」とも呼ばれています。

コロナ禍の影響で外出を控えざるを得ないシニアの方は、さらにうつ状態になりやすいと言えます。

このような定年退職後のうつ状態を避けるには、何でも良いのでやることを見つけ、心の空白を作らないようにすることが第一です。

家の周りをかたづけたり、ペットの世話をしたり、読書や音楽に熱中したり、家庭菜園をしたりと、あえて忙しく動き回るようにします。

そうしているうちに、定年退職後の新しい生活リズムができあがってきます。

その生活リズムに慣れてくれば、自然に「やりたい事」も見つかり、抑うつ状態を避けることができます。

 

2019/06/02

「蕎麦を食べると長生きする」と言われるのはなぜか

ひやむぎやそうめんなど、さっぱりとした麺類がおいしい季節になりましたが、暑い季節も寒い季節も変わらずに人気があるのが蕎麦です。

江戸時代の頃から庶民に親しまれてきた蕎麦は、昔から「蕎麦を食べると長生きする」と言われてきました。

蕎麦には良質なタンパク質やビタミン類、食物繊維などが含まれていますが、特筆すべきはポリフェノールの一種である「ルチン」が豊富に含まれていることです。

このルチンには、毛細血管を強くして血液を流れやすくする効果や老化の原因となる活性酸素を取り除く抗酸化作用があることが知られています。

血管が丈夫になり、血液がサラサラと流れるようになれば、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を防ぐことができます。

血行が良くなって体全体に栄養素が行き渡るようになれば、髪の毛を健康に保つ効果や美肌効果などのアンチエイジング効果も期待できます。

また、蕎麦には食物繊維も豊富に含まれているため、腸内をきれいにして便通を整えることができます。

このように、蕎麦には優れた健康効果やアンチエイジング効果があるため、蕎麦を多く食べる人は結果として「長生きする」ということになります。

さらに、ねぎやショウガ、刻みのり、青シソなどの薬味を添えれば健康効果も一段とアップしそうです。

2018/10/29

空気の乾燥と手荒れ

寒い季節になると手が荒れるというシニアの方は、今のうちから予防しておきましょう。気温の低下とともに湿度が低下すると、肌表面の水分が蒸発しやすくなって色々な肌トラブルを起こすからです。

この肌トラブルの中でも最も多いのが手荒れですが、空気が乾燥してくると水仕事をしたり、紙やダンボールに触れたりしただけでも、手がカサカサしてきます。そして、カサカサした状態を放っておくと皮膚表面が硬くなり、「ひび」や「あかぎれ」が生じ、出血したり痛みを感じるようになります。

寒い日は、何をするにも水よりはお湯を使いたくなりますが、お湯は肌表面を守っている皮脂膜をはがしてしまうため、手荒れにつながります。水を使った場合でも、すぐに拭き取らないと、今度は「しもやけ」の症状が出ることがあります。

少し面倒でも、水仕事やその他の家事、ガーデニングなどをする時は必ず手袋をするようにすると、手荒れを予防することができます。カサカサしていると感じた時は、早めにハンドクリームなどで保湿しておきましょう。

すでに「ひび」や「あかぎれ」で痛みがある場合は、症状に合わせた薬を塗り、悪化させないようにしましょう。手全体が荒れている場合は、就寝前にビタミンE入りの薬用ハンドクリームを塗り、もめんの手袋をして寝るようにすると、翌朝にはかなり改善することができます。

ただし、アレルギー性の手湿疹の場合は、皮膚科を受診して症状に合わせた塗り薬などをもらうようにしてください。


2016/10/06

トランス脂肪酸はなぜ体に悪いのか

近年、バターは品薄ぎみで高価ですが、マーガリンはさほどではありません。
パンに塗るにはマーガリンで十分と考えがちですが、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の危険性が叫ばれています。

マーガリンの原料は植物性の油で、もともとは液体です。そこに水素を添加すると化学反応を起こし、油が固まります。

この過程で大量に発生するのがトランス脂肪酸で、 「狂った油」とか「食べるプラスチック」と言われたこともありました。

実際はマーガリンの構造はプラスチックとは別物ですが、何年も腐ることもなく、カビが生えることもありません。それだけでも少し怖いものを感じますが、問題はさまざまな病気を引き起こす可能性があることです。

トランス脂肪酸は、体内細胞の細胞膜の中に入り込み、細胞の働きを狂わせたり、体に必要な栄養素を破壊したりします。その結果、心臓病や脳血管障害、発ガンの原因になると言われています。

そのほか、悪玉コレステロールの上昇や、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー疾患、糖尿病などの原因になることも多くの研究で明らかにされています。

このような健康被害が明らかになるにつれ、世界保健機関(WHO)は、2003年にトランス脂肪酸の摂取量を摂取エネルギーの1%(約2g)未満にするように勧告。米国食品医薬品局(FDA)はトランス脂肪酸の食品添加物を2018年6月から原則禁じるなど、世界中で規制が進んでいます。

しかし、日本では「大多数の日本国民のトランス脂肪酸摂取量は、WHOが推奨する総エネルギー比1%未満を下回っており、通常の食生活では健康への影響は小さい」という理由から、今のところ表示の義務付けもありません。

白米が主食の日本人は、確かにトランス脂肪酸の摂取量が少ないかもしれませんが、国民全ての人が摂取量が少ないというわけでもなく、また量が少なければ安心というわけでもありません。

トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、それらを原料としたパンやクッキー、ケーキ、ビスケット、ドーナツ、マヨネーズ、スナック菓子、インスタント麺、アイスクリームなどにも入っています。

健康を守るためには、トランス脂肪酸の入ったものは、できる限り摂らないようにしたほうが安全と言えるかもしれません。



人気の投稿