2011/04/23

たこつぼ型心筋症に注意

東日本大震災後、避難生活を余儀なくされているシニアの方に注意して欲しいのが「たこつぼ型心筋症」というものです。「たこつぼ型心筋症」は、「エコノミークラス症候群」と並んで大震災の後などに起こりやすいと言われています。強い精神的なストレスが引き金となって起こる「たこつぼ型心筋症」は、1991年に広島市民病院の佐藤光先生らによって提唱された疾患で、阪神大震災や新潟県中越地震の後にも発症例が何例か見られました。

症状は、精神的に過度なストレスを受けたあとに心臓の筋肉が収縮しにくくなり、突然、胸の痛みや圧迫感、呼吸困難などが起こります。心臓の左心室下部の収縮が弱くなり、上部だけが収縮するため超音波などの画像診断では、ちょうどたこつぼのような形に見えます。心電図では、心筋梗塞に似た波形が出ますが、心臓の血管には狭窄や閉塞などの異常は見られません。

たこつぼ型心筋症は、50代以降の女性に多く発症しますが、精神的なショックがもとで心臓の筋肉が一時的に麻痺しているようなものなので、ストレスの除去や安静により数週間程度で回復します。しかし、まれに高度の心不全を起こす場合もあるので注意が必要です。

2011/04/15

不安で眠れない時の対処法

東日本大震災の後、不安で眠れないというシニアの方が増えています。余震が続いているのもひとつの原因ですが、あまりにも災害を受けた時のショックが大きく、心身ともに衰弱しているケースが多くなっています。
震災当日は一睡もできなかったという方が大部分で、その後2週間ほどは熟睡できなかったという方もいますが、それは危険を避けようとする人間の本能から来るもので普通のことです。徐々に眠れるようになれば心配はありません。
また、慣れない避難所での生活は、緊張状態が続いてストレスがたまるため、不眠になりやすくなりますが、1ヶ月以上たっても、「夜中に何度も目が覚める、地震や津波の光景が目に浮かび悪夢を見る、眠りにつくまでに何時間もかかる」といった場合は、ちょっと心配です。

「再び大きな地震が来るのではないか」といった不安感が不眠を引き起こしているため、不安をやわらげることが不眠の第一の対処法になります。万が一のために、「荷物をまとめておく、逃げ道を確保しておく、家具を固定しておく、地震保険に加入しておく、避難方法を家族と話し合っておく」などの地震に対する備えをしておくことにより、不安が軽くなり、心のストレスも軽減されます。
「この先、どうしたら良いかわからない」といった将来への不安を抱えている方は、自治体などの公的機関や第三者に相談してみましょう。

不安が少しずつ解消して来たら、寝る前に「軽いストレッチをする、温めた牛乳を飲む、好きな音楽を聴く」などして、リラックスするようにしましょう。徐々に眠れるようになって来ます。
それでも、どうしても眠れずつらい場合は心療内科などを受診してみましょう。カウンセリングを受けたり、必要な場合は睡眠導入剤や精神安定剤が処方されますので、医師の指示に従ってください。

2011/04/05

放射線被曝とβグルカン(ベータグルカン)

大震災による福島原発の事故は、収束までにまだまだ時間がかかりそうです。次から次へと発生するトラブルに懸命の復旧作業が続けられていますが、多くの国民が、放射性物質の拡散により水道水や毎日食べる野菜や果物は大丈夫なのだろうかといった不安を抱えています。

そんな中、放射線被曝を防ぐために「βグルカン(ベータグルカン)」というサプリメントを摂取すると良いという情報が出回っています。
βグルカン(ベータグルカン)は、主にアガリクスなどのキノコ類やパン酵母の細胞壁に含まれる成分で、以前から、免疫力を高め、がんやアレルギーを予防する機能性食品として知られていました。βグルカン(ベータグルカン)の中でもパン酵母(イースト菌)の細胞壁から抽出精製した高分子結合の多糖類であるβ1.3Dグルカンが注目されています。β1.3Dグルカンを放射線をあびる1週間から2週間前に服用しておくと、白血球の減少を緩和することができるという研究結果もあるそうです。

β1.3Dグルカンはすでにサプリメントとして製品化されていますが、1970年代にアメリカで多くの科学者が研究に取り組み、1990年以降はヨーロッパや日本でも多くの大学や研究機関で動物実験などが行われるようになりました。
しかし、まだ人体への効果や影響ははっきりと確認されていないというのが現状のようです。β1.3Dグルカンが本当に放射線被曝を予防できるのかどうかについては、研究結果を待つしかありませんが、情報に惑わされず、ひとりひとりが冷静な判断をするようにしましょう。

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