2013/04/09

薬の副作用で下痢になることがある

何らかの薬を飲んだ後、副作用として下痢の症状が現れることがあります。便が水っぽくなったり、泥のようになったり、時には血液が混じることもあります。

このような薬が原因となる下痢を「薬剤性下痢」と呼んでいますが、激しい腹痛を伴うこともあり、とてもつらいものです。薬剤性下痢は、治療のために飲んだ薬が小腸の中で異物と判断されて吸収されず、大腸では一刻も早く排出しようとするため起こります。また、強い薬では、腸の粘膜を傷つけたり、炎症を起こしたり、また腸内細菌のバランスを崩してしまうことにより下痢を引き起こすこともあります。その他、ある種の薬では、腸のぜん動運動を促進し過ぎて下痢になることもあります。
薬の副作用による下痢は、服用後すぐに起こる場合もありますが、1~2週後に起こるケースが最も多くなっています。1~2ケ月経過してから起こることもあり、そのまま薬を飲み続けていて慢性の下痢に移行することもあります。

下痢の副作用を起こす薬として知られているものには、抗がん剤、抗菌薬、抗生物質、一部の鎮痛薬、痛風発作予防薬、免疫抑制薬などがあげらますが、これ以外にも何種類もの薬を同時に飲んだ場合に下痢を起こすことがあります。
下痢が続くと、体に必要な水分と栄養分が不足し、衰弱する可能性もあるので、早めにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。

2013/04/02

アルツハイマー病が注射で回復する可能性

現在、認知症の患者は日本だけでも約300万人いると言われますが、その6割以上を占めるのがアルツハイマー病です。
アルツハイマー病は、脳内に「アミロイドβペプチド」という異常なタンパク質が過剰に蓄積して、神経細胞を破壊して行くことが原因とされています。
今までは、アルツハイマー病は進行を抑えるだけで確実な治療法はないと言われて来ましたが、将来は注射で回復する可能性が出てきました。
長崎大と自治医科大、理化学研究所の共同研究チームが、アミロイドβペプチドを分解する酵素の遺伝子を注射器でマウスの血管から体内に投与して、症状を改善するという実験に成功したからです。

アミロイドβペプチドを分解する酵素は、「ネプリライシン」というもので、もともと脳内で作られますが、加齢やアルツハイマー病の進行とともに量が減少します。今回の実験では、このネプリライシンを作る治療遺伝子(ネプリライシン遺伝子)を脳の神経細胞だけに作用する無害なウイルスを使って、アルツハイマー病のマウスの脳まで届けるという方法で行われました。
その結果、アミロイドβペプチドが減少し、マウスの学習能力・記憶能力は通常のマウスのレベルまで回復したそうです。
この研究をさらに進めることにより、将来的にはアルツハイマー病は注射で回復できる病気、そして予防できる病気になる可能性があります。

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