2012/07/20

首の冷やしすぎが頭痛や肩こりを誘発

梅雨が明け、本格的な夏がやって来ました。
暑い夏を涼しく乗り切るために、また熱中症予防のために、「首を冷やすと良い」と言われますが、首の冷やしすぎは要注意です。

首には太い血管が通っているため、ここを冷やすと全身に冷やされた血液が運ばれて体温が下がりやすくなります。熱中症の危険があるときや、短時間冷やすだけなら問題はありませんが、就寝時に首に保冷剤などを巻いて一晩中冷やしたりすると、翌朝は肩こりや頭痛などの症状が出ることがあります。人により、寝違いのような症状を起こしたり、皮膚の弱い人では保冷剤を当てた部分が凍傷をおこしたようになることもあります。
また、日中でも何時間も続けて首を冷やし続けると、同様の症状が出やすくなります。冷やすことにより、首や肩、頭部への血流不足を起こすからです。

ほかにも、イライラしたり、眠れなくなったり、胃腸障害を起こしたり、時にはうつ症状を引き起こすこともあります。首の後ろには、副交感神経をつかさどる重要な部分があるため、ここを長時間冷やし過ぎると自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症のような症状が出やすくなるからです。

現在は節電意識も高くなり、色々な冷んやりグッズが出回っていますが、体調不良を起こさない程度に効果的に利用するようにしましょう。

2012/07/03

胃ろうと延命治療

「胃ろう」は、おなかに小さな穴を開け、管を通して胃に直接水分や栄養を流し込むという人工栄養補給法です。口から食べることができなくなった患者に対して行われるもので、1979年にアメリカで開発されました。
手術や管理が簡単なため、日本でも1990年代から急速に普及し、胃ろうによる治療を行う病院が増えています。
それまでにも点滴による人工栄養補給が一般に行われていましたが、胃ろうのほうが胃腸の運動を活発にして免疫機能を高めるため、回復が早くなるなどのメリットがあります。

しかし、高齢者の終末期に胃ろうが使われる場合、本人の望まない延命治療が長期間行われ、苦痛が長引くだけであるという問題が以前から指摘されていました。
胃ろうは、一時的な栄養補給に使用し、回復して再び口から食べられるようになるなら理想的な治療法ですが、胃ろう患者の7割以上は食べる力が回復しないという現実があります。

そんな中、最近になって日本老年医学会は、患者の意思や生活の質を考慮して胃ろうを中止することも選択肢に入れたガイドラインをまとめたそうです。胃ろうによって延命が期待できる場合でも、本人が希望しない場合は、医療関係者と本人、家族らと話し合った上で合意すれば、栄養分の減量や中止もできるものとしました。
胃ろうと延命治療について、普段から家族と話し合っておくのも良いかもしれませんね。

人気の投稿