2010/08/25

人食いバクテリア「ビブリオ・バルニフィカス」とは?

2010年8月24日、香港の女性(68)が、「人食いバクテリア」に感染し危篤状態に陥っているというニュースがありましたが、この女性は、自宅で魚を扱っている際に人差し指をけがし、そこから人食いバクテリアと言われる「ビブリオ・バルニフィカス」に感染したことがわかりました。

ビブリオ・バルニフィカスとは、食中毒菌である腸炎ビブリオの仲間で、主に夏場に生の魚介類を食べて感染するほか、傷口から感染することもあります。健康な人が感染しても、下痢や腹痛を起こす程度で、重症になることは殆どありませんが、ビブリオ・バルニフィカスは、感染した体内で筋組織などを破壊する毒素を放出するため、肝硬変などの疾患を持っている方は、数時間~数日後に手足の急激な壊死を起こし、発症した場合の死亡率は約7割と言われています。
日本でも2001年8月に静岡県の肝臓疾患のある男性(72)が「ビブリオ・バルニフィカス感染症」に感染し死亡しているほか、毎年何名かの感染者が出ているそうです。また、2003年4月17日に国立感染症研究所と全国6都県の地方衛生研究所が、市販の魚介類の一部を調査した結果、その16%がビブリオ・バルニフィカスに汚染されていたそうです。

ビブリオ・バルニフィカス感染症にかからないために次のような方は特に注意してください。
・肝硬変や肝臓がんなどの重大な肝臓疾患がある方
・重症の糖尿病などで免疫力が低下している方
・貧血治療のために鉄剤の内服、投与を受けている方
・喘息などの治療目的でステロイド薬剤を使用している方
・お酒を大量に飲む方

ビブリオ・バルニフィカス感染症を予防するために、ハイリスクの方は、刺身など魚介類の生食は避け、よく加熱することを心がけてください。また、手に傷があるときは生の魚介類の調理を避け、釣りや海水浴などでも海岸で素足になることは避けてください。

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