2010/08/17

肺の生活習慣病・COPD(慢性閉塞性肺疾患)

タバコをたくさん吸う方は、肺がんのリスクをかかえていますが、もうひとつ怖い病気があります。それは
慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)というもので、英語ではChronic Obstructive Pulmonary Diseaseと言い、これを略して「COPD」と呼んでいます。
COPDとは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことにより、気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに慢性的な炎症が生じ、咳や喀痰が出たり、息切れが生じたりする病気です。COPDは、長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから「肺の生活習慣病」とも呼ばれています。

COPDは、悪化してからでないと気づきにくいという特徴がありますが、タバコを長年吸っているシニアの方で、階段を上り下りする時や、坂道を上る時に息切れをするという方は要注意です。息切れを感じたときに、意識的に口をすぼめて呼吸する「口すぼめ呼吸」も判断のひとつの目安になります。また、風邪でもないのに咳や痰が長く続いたり、進行すると胸の前後の幅が増大し、上体がビヤ樽のような独特な形になることもあります。
COPDがさらに進行すると呼吸不全や心不全を起こすこともあり、酸素吸入が必要なほど重症化すると5年生存率は50%に満たないと言われます。

現在、日本では500万人以上のCOPD患者さんがいると推定されており、世界中でも増加の一途をたどっています。
COPDは、早期発見が大切ですが、何よりもこのような病気にかからないよう、禁煙することがそれ以上に大切です。

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