2011/08/24

脳卒中を予防する新しい薬とは?

脳卒中を予防する新薬が、2011年の3月に日本で発売されました。新薬の名前は、「ダビガトラン(商品名プラザキサ)」というもので、この領域では半世紀ぶりの新薬として注目されています。
脳卒中は、心臓の中にできた血の塊が脳に飛んで、脳の血管を詰まらせるために起こりますが、そのリスクのある人は、血を固まりにくくする薬を常時飲んで予防しています。

脳卒中予防薬として、現在最も多く使用されているのが「ワルファリン」ですが、ワルファリンは、個人の適量を見極めるため、定期的に血液検査をして使用量を調節する必要があります。また、薬が効き過ぎると逆に脳出血のリスクが高くなるという欠点がありました。さらに、納豆、クロレラ、青汁などの摂取を制限しなければならないこともあります。

しかし、新薬のダビガトランは、個々人による使用量の調節は必要なく、ワルファリンよりも脳出血などの合併症が少ないことがわかりました。また、納豆、クロレラ、青汁などの摂取を制限する必要もありません。ダビガトランには、1日110mgという低用量と1日150mgという高用量がありますが、アメリカのFDAは高用量のみを推奨するとしています。
日本では、脳卒中予防薬の使用は高齢者が多く、脳出血の頻度は欧米人より多いというデータもあるため、低用量と高用量のダビガトランのどちらを使用するかについて、医師の見解は分かれているようです。

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