2012/09/04

朝食を抜くと血糖値があがる?

自覚症状がほとんどないまま進行する糖尿病は、重症化すると重大な合併症を引き起こします。糖尿病網膜症による失明や、脳梗塞、心筋梗塞、そして腎不全による人工透析を余儀なくされることもあります。
現在の日本における糖尿病患者は、予備軍を含めると2000万人以上もいるとの統計もありますが、その中の大半は過食や運動不足が原因の「2型糖尿病」と言われます。

過食が原因なら、朝食を抜いて1日2食にすれば、糖尿病の予防になるのではと思われがちですが、実際には朝食を抜くと血糖値はあがってしまいます。
血糖値は、血液中に含まれる糖分の量ですが、インシュリンというホルモンによって一定になるようにコントロールされています。食事をすると体内の糖分が増えますが、すぐにインシュリンが分泌され、いつもの血糖値に戻されます。
朝食を抜くと血糖値もあがらないため、インシュリンは分泌されませんが、昼食後の血糖値は朝食を食べた人よりも上昇します。朝食後のインシュリン分泌がなかったため、昼食後は過剰に分泌される傾向があるためです。
インスリンの分泌能力は年とともに下がりますが、過剰分泌が続くとさらに分泌量が減少してしまい、糖尿病の発症リスクが高くなります。

体重を減らす目的で朝食を抜く人もいますが、過剰に分泌されたインシュリンは、脂肪細胞に糖分を取り込む作用もあるため、逆に太ってしまうという現象も起こります。
糖尿病を予防するためには、やはり3食をきちんと食べ、適度な運動をすることが大切と言えます。

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