2012/09/20

アスピリンのガン予防効果とは

非ステロイド性の消炎鎮痛薬のひとつであるアスピリンには、ガン予防効果があるとの研究結果が数年前から英国や米国で発表されています。

アスピリンは、ヤナギの木に含まれる天然の消炎鎮痛成分「サリチル酸」をアセチル化して作られたもので、世界で初めて人工合成された医薬品と言われています。アスピリンはバッファリンなどの成分となっていますが、「ピリン系」と間違えられやすいため、市販の鎮痛薬には「アセチルサリチル酸」と表示されています。
私達の体の中には炎症や痛みが発生すると、「プロスタグランジン」という物質が作られて痛みを知らせてくれますが、アスピリンはこの「プロスタグランジン」が作られるのを抑制する働きがあります。あえて痛みを感じさせないようにして痛みを抑えるわけです。

アスピリンには、血栓形成を抑える作用もあるため、医療現場では心臓病や脳卒中の予防薬としても使われていますが、継続して服用した結果、ガンの発生率も低下したという研究結果が過去にも何度か発表されています。しかし、だからと言って個人が市販のアスピリンをガン予防のために飲むというのも危険が伴います。
アスピリンには、血栓による脳疾患や心臓疾患を予防する効果がある反面、出血を助長するという副作用があるからです。アスピリンの大量服用や長期服用は脳出血や肺出血のリスクを高めたり、胃潰瘍を悪化させることもあります。

有効なガン予防薬の出現は、人類にとってとても喜ばしいことですが、アスピリンに関してはどのような経過をたどってガンを予防するのかはっきりと解明されていません。
その効果や安全性についてもあと少し研究が必要なようです。

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