2011/01/13

お酒の飲みすぎと肝臓の疲れ

年末、年始とお酒を飲む機会の多かったシニアの方は、ひょっとして肝臓が疲れているかもしれません。体内にアルコールが入ると、肝臓によってエネルギー源に変えられ、炭酸ガスと水に分解されて排出されます。しかし、毎日のように大量にアルコールが肝臓に送られると、肝臓はアルコールの処理に追われて疲れてしまい、脂肪を分解する余裕がなくなってしまいます。すると、中性脂肪が肝細胞につき、アルコール性肝臓病のひとつである「脂肪肝」という病気になってしまいます。
脂肪肝はアルコール性肝臓病の中でも軽いほうですが、無症状のことが多く、定期健診などで偶然見つかるケースが多くなっています。この脂肪肝は、肥満や糖尿病が原因のこともありますが、お酒の飲みすぎによる脂肪肝は、禁酒して食事に気をつければ短期間で改善します。
しかし、脂肪肝をそのままにお酒を飲み続けると、アルコール性肝炎や、肝細胞が繊維状に硬くなってしまう肝硬変へと悪化してしまいます。肝硬変は、アルコール性肝臓病の最終段階と言われ、腹水、黄疸、吐血などの重大な症状が現れ、命の危険にもさらされます。また、肝硬変になるくらいアルコールを大量に飲み続ける人の多くは、「アルコール依存症」になっている可能性も高く、そうなると回復も困難になります。

肝臓は、疲れていても自覚症状が殆どありません。このところお酒を飲む機会の多かったシニアの方は、しばらくの間、お酒を控えめにして肝臓を休ませてあげてください。また、不安な方は、病院で血液検査を受けてみましょう。

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