2010/05/09

アルツハイマー型認知症の新しい治療薬

アルツハイマー型認知症の新しい治療薬が2011年から相次いで販売されます。国内のアルツハイマー型認知症治療薬は現在、脳内神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害するエーザイの「アリセプト(錠剤またはゼリー状)」のみとなっています。
しかし、今後は高齢化社会の進行に伴って、アルツハイマー型認知症の患者が増加する事が予想されるため、製薬各社も新薬の開発に力を入れています。

第一三共は、中~高度の症状のアルツハイマー型認知症患者に使用できるものとして、アリセプトと作用の仕組みが異なる「メマンチン」の販売承認を申請中です。

米ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセンファーマ(東京)は、武田薬品工業と共同で認知機能に重要な役割を果たす物質の分泌を促すという「ガランタミン」を錠剤、口腔内崩壊錠、内用液の3剤形で発売することになっています。

ノバルティスファーマ(東京)と小野薬品工業は、世界唯一の経皮吸収型製剤(貼付剤)である「リバスチグミン」を発売する事になっています。認知症の患者は、薬を飲んだ事を忘れる事がありますが、貼るタイプなら薬剤の使用状況が用意に確認できる利点があるとしています。

このように、新しい薬が開発・販売される事は明るいニュースではありますが、これらの薬は病気の進行を遅らせるものであり、アルツハイマー型認知症を根本的に治療できる薬はまだ実用化されていないようです。

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