2010/05/13

メイラード反応と肌の老化

メイラード反応とは、食品に含まれるタンパク質やアミノ酸と糖が化学的に作用して褐色物質を作る反応です。たとえば、パンやクッキーを例にあげると、材料の小麦粉にはタンパク質が含まれ、卵や牛乳にはアミノ酸が含まれています。そこに砂糖を入れて焼くと、褐色に変化します。これがメイラード反応と言われているものです。食物のメイラード反応は、こんがり焼けて香ばしい匂いがしておいしいものですが、これと同じ事が人間の体の中でも起こっているのです。

私たちの体は、実際に火が燃えているわけではありませんが、生きている限り体の中でエネルギーが燃やされ、消費されています。そしてタンパク質、アミノ酸、糖は重要な栄養素として取り込まれますが、これらが反応し合うと、タンパク質同士が不必要につながってしまい、コラーゲンの結合や硬化が起き、肌の老化や血管の老化が始まります。メイラード反応を起こしたコラーゲン同士が結合したものを終末糖化生成物(AGE)と言っていますが、加齢に伴いこのAGEが体の中に蓄積されて行き、しわができたり、肌のハリが失われたり、くすみやシミの原因にもなったりします。

人間にとってのメイラード反応とは、まるで老化に伴い体が焦げて行くようなイメージですね。「年をとるにつれ、体が硬くなる」とよく言いますが、この言葉はメイラード反応による皮膚や血管、関節などが硬くなる事と無関係ではないようです。このメイラード反応を防ぐ方法は、今のところまだ解明されていません。しかし砂糖の大量摂取がメイラード反応を加速させることがわかっています。肌の老化を防ぐために、砂糖や果糖の大量摂取をできる限り避けるようにしましょう。

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